2月26日国連コンサートで共演なるか、ショーン・レノン(左)と、ジュリアン・レノン。
(2月26日国連コンサートで共演なるか、ショーン・レノン(右)と、ジュリアン・レノン。)

1980年ニューヨークで凶弾に倒れ、40歳で生涯を閉じた元ビートルズのジョン・レノンのふたりの息子はもうこんな年齢になっていた。最初の妻シンシアさんが生んだジュリアン・レノン(45)、そしてオノ・ヨーコが生んだショーン・レノン(33)は、現在ともにミュージシャンであるが疎遠な状態が続いていた。しかし来月の国連のイベントで共演する可能性が出てきたようだ。


どんどん広まりつつあるこの情報、2月26日にニューヨーク国連本部で開かれる「UNミレニアム・ゴール・アワード」という式典のコンサートに、そろって参加することを了承したというもので、他にはジョン・ボン・ジョヴィや、リッチー・サンボラ、メイシー・グレイなどが挙げられているという。

この夢の共演については、それぞれをよく知る「Humanitad Foundation」を設立した英国在住のサーシャ・ストーンという大物が一肌脱いだと見られている。

ジョン・レノンが他界した当時の妻であったオノ・ヨーコは、元の妻シンシア・レノンとその息子ジュリアンとの関わりを決して持とうとしなかった。レノンの記念音楽ホールの設立や、レノンの音楽をモチーフにした「サーク・ドゥ・ソレイユ」の舞台が発表されても、ヨーコはその母子との距離を保ち、ジュリアンのいる場所にショーンを連れて行くことを嫌った。

ヨーコはまた、公平な遺産の分与を彼らにしなかったとも言われている。ジュリアンは長期に渡る遺産争いについに断念したが、2007年5月、有名なDJであるハワード・スターンを相手に、ヨーコから全く遺産を受け取っていないと怒りをぶつけている。

ヨーコの出現ですべての歯車が狂いだしたとビートルズ・ファンに言われ、またシンシアさんとの離婚の原因にもなったと言われていることを考えると、なかなか母親たちを打ち解けさせることは難しい。

しかしジュリアンとショーンは、互いが父親の血を共有していることを忘れることはなかったようだ。2007年に行われたチェコ・プラハのコンサートで、父から才能を分けられた兄ジュリアンの演奏を見た時、主にインディーズとして頑張っているショーンは、そのメロディと歌声に強い親近感とショックを覚えたと言う。

血を分けた兄弟が互いに引かれ合うものを感じ、音楽を共に奏でた時にその波長がピタッと合った場合、誰もそれを邪魔することは出来ないであろう。2月26日のコンサートでの共演が、ぜひとも実現するよう祈りたいと思う。

ところで、ポール・マッカートニーの息子もリンゴ・スターの息子も、皆ミュージシャンとなっている。彼らが集まって第二のビートルズを結成するのも一度くらいいかがであろうか。

(編集部 Joy横手)

画像:WENN