戀塚昭彦@ニコニコ動画は、ガジェットや1.5倍速が好き

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ニコニコ動画にハマってますか? 私もです。では、この根幹となるシステムを3営業日で開発した、根っからのプログラマは知ってますか? ゲーム開発集団「Bio_100%」でも腕を鳴らした戀塚さんは、自分が作ったニコ動の中毒者でもありました。そしてその趣味とは……。

■プログラミングとは、コミュニケーションである
 ―  ニコニコ動画がすごい人気ですね。今、会員数はどれくらいですか?

こ  一般会員とプレミアム会員(有料)を合わせて560万人くらいです。上限を設けていまして、段階的に引き上げています。

 ―  サービスインが2006年12月ですが、10月末の金曜日からの3営業日で、おひとりで開発されたとか。あり得ないスピードですね。

こ  以前の仕事でFlashのActionScriptの逆コンパイラをつくっていたことと、直前の仕事で、PHPでWebサーバを構築する方法を学んだことが決め手でした。また、コメントを管理するサーバはC++で完全独自につくりましたが、それ以外はなるべく既成の技術を応用したこともあります。

 ―  前の仕事でPHPを覚えたということですが、別の言語を学ぶのは簡単なことでしたか?  

こ  ドキュメントがあれば十分です。論理が記述できれば後は表現の問題ですから、実際に動かすためには些細な知識があればいいんです。それに、完璧に動くシンプルな機能をつくることが当初の目的で、それを皆で見ながら方向付けを考えていきましたから、開発の苦労なんかもないんです。

 ―  爆発的な人気を呼んだ理由とは何でしょうか?

こ  私たちもここまで人が集まるとは思っていませんでしたし、すべてが想定外です。振り返ると、動画のそれぞれの瞬間に個別のコメントをつけてもらうという、ユーザーに価値を任せた仕組みがよかったのだと思います。
 また、後から追加したタグ(動画同士を結ぶリンク)もユーザー間のコミュニケーションを高めました。タグ機能をつけたときは既に多くの動画が存在していましたから、当初はどうやってタグをつけるかと悩んでいたのですが、タグをつけてくれる人がどんどん現れて、あっという間に整理されました。つまりは、文化が生まれたんだと思います。

 ―  コメント機能は2ちゃんねる的な発想だと思いますが、戀塚さんも2ちゃんねるのファンだとお聞きしました。

 こ  そうですね。ひろゆき(西村博之氏)が同社系列企業のニワンゴの取締役管理人でもありますし、個人的にも好きなサイトです。ただ、ある程度名前が知られると痛烈なコメントが飛んできますので、私も書かれてつらい目にあったことがあります(笑)。誰でも最初は面食らいますからね。

 ―  そんな思いをされてもお好きなんですね。

こ  慣れて乗り越えました。それに、痛烈な批判をする人だって面と向かえば絶対に同じことを言わないはずですし、表現はともあれ的確な指摘も多くあります。ニコニコ動画の掲示板にも忌憚のない意見を載せてもらっていて、読むのがつらいことも多いのですが(笑)、開発のヒントになることも多々あります。

 ―  今はどういうお立場なんですか?

こ  開発自体は別のチームで行っていて、私は機能の追加や変更についてのサポート的な仕事が多いですね。ネットの動向をチェックして方向性を決めたり、逆にニコニコの情報を発信したりで、はてなブックマークに載ったコメントを引っ張ってきて、議論を活発にさせるなどもしています。
 また、昨年の12月からは実験的に「ニコニコ生放送」という生放送を始めて、第1回目には私とひろゆきの対談を流しました。その後もスタッフが紙一枚を画面に出したり、将棋を指したりなどを放送しましたが、こうするとオンデマンドではなくリアルタイムに動画にコメントがつくわけです。