米国サブプライム問題から始まった世界的な金融危機。その余波を受け、海外市場への依存度の高い製造業を中心に業績悪化の連鎖が始まっている。景気の冷え込みはまだまだ続いていくことが予想される今、転職をするにはどのような方法、どのようなツボを押さえればよいのか、取材をもとに探っていく。

■景気低迷期における転職活動のポイント
・Point1 転職先はどんな視点で選択する?

IRコンサルタント ・西堀氏:「フリーキャッシュフローがプラスだといい会社」
 投資家が企業の良しあしを判断する一つの基準が、フリーキャッシュフローです。キャッシュフローとはその名のとおり、実際の現金の流れ、およびその結果としての現金の増減を表します。キャッシュフロー計算書には営業キャッシュフロー(会社が営業活動をして稼いだ収入)、投資キャッシュフロー(商品やサービスを提供するために、固定資産や有価証券の取得、売却などに伴う現金収支)、財務キャッシュフロー(銀行からの借入金など)と3種類のキャッシュフローが出てきますが、会社選びで注目したいのは営業キャッシュフローと投資キャッシュフロー。この和が実は企業が自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)であり、この額が大きければ大きいほど、財務状態のよい会社だといえるからです。数年間さかのぼってみて、フリーキャッシュフローがプラスになっている会社であれば、突然の倒産など心配せずに働くことができると考えられるからです。
 IT系ベンチャー企業の場合、安心して働ける会社かどうかのひとつの判断ポイントは、2000年春に起こったバブル崩壊以降の不況期を経験しているかどうか。一度不況を経験している企業で経営陣や大株主が変わってなければ、現在の不況期も乗り越えられる可能性が高いと考えられるからです。

FP・平野氏:「中小企業の場合は、取引先の経営状況までチェックするとよい」
 転職するならやはり、経営状態のよい会社を選びたいもの。大手などであれば新聞やテレビなどで情報を仕入れられますが、中堅、中小企業ではよくわかりません。積極的に採用をしているということは経営状態がよく、よりビジネスを拡大するためであることがほとんどかもしれませんが、気をつけなければならないのは、中小企業の場合は特に取引先の経営状況に左右されてしまう面があるということ。そのためにもチェックしたいのが、取引先の情報。どんな取引先があるのか、それらの経営状態はどうかなどまで調べると、より安心な転職が可能になると思います。

ヘッドハンター・福田氏:「企業風土や理念との相性が重要」
 専門性で会社選びをするのはもちろんですが、企業風土や理念との相性です。自分の考えや方向性に合う会社かどうかを判断にはどうするか。面接を進める中で企業理念や経営者の考えを理解することが重要です。信頼性のある情報ソースから客観的な情報収集をすることも必要です。

CA・高原氏:「妥協するところは妥協して、幅を広げる」
 転職先を選ぶ際、仕事内容や勤務地、給与などさまざまな条件を掲げます。買い手市場である現在は、条件の緩和が必要。妥協できる幅を広げることも、大切です。内定をもらっていない時点では今の会社に残って働き続けるか、もしくはその会社を辞めてしまうか、という選択肢しかなく、「転職」という選択肢はまだ手に入っていないのです。したがって会社選びは選択肢が入った時点で考えればいいこと。ですので、なるべく条件を狭めずに緩和して、選択肢を増やす行動をすること。これが不況期における転職活動のヒケツの一つです。

ワークス研究員・豊田氏:「仕事スタイルにも注目」