マンガ大賞2009にノミネートされた10作品の中のひとつ『3月のライオン』。羽海野チカ氏による漫画だが、羽海野チカ氏と言えば、何といっても『ハチミツとクローバー』を真っ先に思い出す人が多いと思う。『ハチミツとクローバー』はアニメ化やドラマや映画の実写化もされた。今回マンガ大賞にノミネートされたことによって、『3月のライオン』もアニメ化や実写化となるか?

 『3月のライオン』は、羽海野チカ氏による将棋漫画である。 『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年連載開始。『3月のライオン』"March comes in a lion"は、"March comes in like a lion and goes out like a lamb"(『3月は荒々しい気候とともに始まり、穏やかな気候で終わる』)というイギリスのことわざの一部より採られている。

 東京下町の若き将棋のプロ棋士と3姉妹を中心とした話で、心に傷を負いながらも他者との交わりの中で癒されていく人々の姿を描いている。

 東京の下町に一人で暮らす17歳の主人公、桐山零。彼は幼いころの事故で両親と妹を失い、心に深い傷を負ったまま、中学生で史上5人目のプロ棋士となる。零の他者とのコミュニケーションを図る唯一の方法が将棋だった。家族を亡くしてからは、父の友人で棋士であった幸田の家に内弟子として引き取られた。

 そんな零の前に現れたあかり・ひなた・モモの3姉妹。長女のあかりは、母を亡くし、妹たちの面倒を見ながら、昼は和菓子屋、夜は銀座でホステスとして働いている。家族を失った零の事を何かと気にかけている。次女のひなたは、中学生。明るい性格だが、繊細さも持ち合わせており、好きな男子にお弁当を作るなど女の子らしい一面もある。三女のモモは、保育園に通っている。純粋で無邪気。少々わがままな性格である。彼女たちとの交流の中で、零がどのように成長していくかが楽しみである。

 将棋を題材にした漫画でドラマ化されたものに柴田ヨクサル氏の『八チワンダイバー』がある。主人公が、プロ棋士になる夢に挫折し、賭け将棋で生計を立てている話でメイド姿の受け師が出てくる。ドラマも話題となった。『3月のライオン』とはタイプの違うストーリーである。
 
 『ハチミツとクローバー』は2005年にアニメ化、2006年には『ハチミツとクローバー2』が放送された。2006年には実写映画も公開され、2008年にはテレビドラマにもなった。漫画の方は第27回講談社漫画賞を受賞。また、宝島社の「このマンガすごい!」オンナ編において2006年2007年と2年連続で1位を獲得した。しかし、テレビでの視聴率の方はいまいちだったようだ。人気漫画を原作にすれば、ドラマも売れるという訳でもないようだ。
 
 今回マンガ大賞2009にノミネートされた『3月のライオン』だが、『ハチミツとクローバー』のような人気がでるか、またアニメ化やドラマ化という話が持ち上がるか、マンガ大賞2009の結果が待ち遠しい。
(編集部:MAKI)

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