「アムロ行きまーす!」の声でおなじみの声優、古谷徹さん。「巨人の星」の星飛雄馬、「聖闘士星矢」のペガサス星矢、「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面など数々のヒーローを演じて来たベテランをも唸らせるキャラクターがいるらしい…?







古谷徹さんと言えば、機動戦士ガンダムのアムロ役、という方が多いのではないだろうか。そんな古谷さんが声優としてその名を世に知らしめたのが「巨人の星」の星飛雄馬役。当時、若干中学生だった古谷さんは飛雄馬を好演し「熱血ヒーロー」のイメージをお茶の間に定着させた。

そんな彼は今度は「機動戦士ガンダム」の主人公として大抜擢され、一躍有名に。アムロという従来とはひと味違うヒーロー像と古谷さんの声が絶妙にマッチ。ガンダムと共に古谷さんの人気は一気に上昇し、アニメ界において古谷さんの存在は無くてはならないモノになっている。

そんな古谷さんがインタビュー場所に、ジーパン姿、白いシャツの爽やかなスタイルで登場した。インタビューの打ち合わせの最中の「ええ」「はい」という、何の変哲のないお返事までもがアムロに聞こえる…。「アムロが頷いてくれてる!!」とスタッフの間で感激の嵐が吹き捲くるなか、とても気さくに接してくれる古谷さん。インタビューはとてもリラックスした中で繰り広げられた。

――古谷さんは今まで何度もヒーローを演じて来ていますが、時代と共にヒーロー像が変化して来る中、やはりお芝居のスタイルも変化しているのでしょうか?

古谷徹(以下、古谷)「そうですね。若い時は自分で決めてたんです。『こいつは、こういう喋り方しかしない。僕がこの役を一番分ってるんだから、誰が何と言おうとこの役はこう演じる』って。(笑)何の迷いもなかった。もしかしたら、他の演技が出て来なかったのかも知れません…。今の方が迷うんですよね。『本当にこのやり方で良いのかな?』って。色んなことを知り過ぎたが故に選択肢が増えて来て、迷いも増えて来ています。」

――古谷さんが迷うなんて意外ですが…。

古谷「ヒーローって何だろうって、色々考えるんですけど…やっぱり皆の夢を達成してくれる存在なのかなって。自分が憧れる対象だったり…アニメではあるけど『自分がこうありたい』と思う人間でいてくれる。そんな希望を彼らに託して、皆見てくれているんじゃないでしょうか…。」

――皆の望みを託されるなんて、古谷さん自身プレッシャーを感じたりしないんですか?

古谷「期待されている、というのは確かに感じます。ただ、僕が出来ることは精一杯役の気持ちを感じて、なり切って全力投球をすることなんです。自分で演じてて変かもしれないけど、自分が演じてるヒーローに憧れながら僕は演じているんです。御陰さまで今まで色んなヒーローを演じさせてもらって、半年、1年と長期間も演じていると疑似体験している感覚になるんです。演じてる最中は役になり切っているから『僕って凄いかも』って思っちゃったりするんだけど、終わると『僕は僕なんだ』と我に返る。その繰り返しですね。過去に演じた役を振り返ってみて見ると、『アイツはカッコいい奴だった。優しい男だった』って、やっぱり僕自身、憧れているんです。彼らのカッコ良さをちゃんと伝える為には、精一杯演じないとダメかな…と。今はすごく迷いながらですけど…精一杯の気持ちは変わりません」

憂いの表情を浮かべながら、丁寧に一つ一つ答えてくれる古谷徹さん。実は今、演じる上で最も悩ませているのが現在放映中の「キャシャーンSins」の主人公キャシャーンなのである。

古谷「実はキャシャーン自身、すごく迷っているんです。彼自身、不安でいっぱい。だから僕の中にある『迷い』がうまくお芝居に利用できているかもしれません。本当に今だからこそ演じられるキャラクターだと言っても過言ではないと思います」

「キャシャーンSins」は「新造人間キャシャーン」を元に、新たなキャシャーン世界が展開する「憂いと哀愁」がテーマのアニメーションである。非常にアーティスティックで、見る物の心を揺さぶる程に暗く切なく、「死」という重いテーマを真っ正面から向き合っている今どき珍しい作品に仕上がっている。特に主人公キャシャーンは自分が何者なのか分らず、突然記憶がなくなったと思ったら、目の前には死体の山。敵も味方も関係なく殺戮マシーンと化してしまう自分に不安を抱えながら「不死身の身体」を持っている、という何とも哀しいストーリーである。

古谷「生と死という重いテーマを持ったストーリーの中で、不安でいっぱいなキャシャーンはすごく色気があってカッコいい。今までに無い、新しいヒーローですね」

と力強く語る古谷徹さん。インタビューが終わった頃、彼の声がアムロではなく、キャシャーンに聞こえた…。いや、むしろ、キャシャーン自身が古谷徹さんに見えてしまう…。そんなシンクロニシティはきっと、ベテラン古谷さんだからこそ起きてしまう現象なのではないだろうか。

古谷徹さんと「キャシャーンSins」監督の山内重保さんのインタビューの様子は現在CSファミリー劇場の「月刊アニメージュTV」でリピート放送中。ナビゲーターの石田彰さんと小島幸子さんが今までに無く、暗いトーンで、「キャシャーンSins」の世界観に寄り添いながら、その魅力に迫ります。


(編集部:下山みも)

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