サブプライムに端を発した世界規模での景気後退、その影響が段々と「自分には関係ない」と思っていたような人々にも肌で実感できるレベルにまで到達してきたわけですが、むしろこのような逆風が吹きすさぶ状況下であるからこそ、これから起業しようという、いわゆるスタートアップ段階の企業にとっては追い風となっているようです。一体どういう理屈で「むしろ今がチャンス!」という状態になっているのでしょうか?

気になる分析は以下から。
Howard’s Startup Game >> Why is Economic Recession Good for Startups

■競合他社が弱体化していく


多くの大手企業は第二次製品やサービスをカットし、従業員を解雇するために努力して、経営を再建しようとがんばっています。そのため、すぐに新製品や新サービスが出にくい状況になっています。つまり、これらの市場にこっそり入る良い機会になっているというわけです。

■人材が安い


失業中の人々が多くなっているので、成績優秀な学校の学生や大企業の優秀なマネージャーレベルなどといった人材が、小さな会社で薄給という状態でも働くことを考えてくれます。これは過去には滅多に起こらない状態です。加えて、オフィスの賃貸やサーバ、食料なども今後、どんどん安くなります。

■ビジネスプランの修正


不景気になると、いわゆるベンチャーキャピタルはひどい事業計画や特に明白な収益モデルのないもの、キャッシュフローが健全でないものに対する投資を控えます。これによってビジネスプランが再三改訂されて修正され続けますが、それでもなおベンチャーキャピタルは冷遇するでしょう。しかしこれはリアルなビジネス環境の中で生き残ることができるということでもあります。

■公平なチャンスが増える


10社のスタートアップ企業のうち9社までが12ヶ月以内につぶれます。小さな企業が失敗するハイリスクを背負っているというのは真実です。しかしリーマンブラザーズ、メリルリンチ、大手自動車メーカーなどの昨今の惨状を見る限り、安全な会社というものはこの世界のどこにも存在しないことがわかりました。また、企業の大きさも安全とは関係ないようです。つまり、小さな企業でもチャンスはあるということです。

■お金を無駄に使わない


筆者にはオンラインビジネスで1万ドルを稼いでいる友人がいるそうですが、その9割が上級管理者の給料で消えており、1ヶ月に1回のコーヒーミーティング(要するにどうでもいい会議)がその上級管理者の仕事だそうです。そういうムダなお金の使い方をしない、というかムダなお金の使い方ができないというのも景気後退のメリットです。

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