昨年、東京都武蔵野市にある「井の頭自然文化園」で一般公開されるや否や、多くのメディアに取り上げられ、人気が過熱しているイヌ科の動物・フェネックの子どもたち。イヌ科で最小という小さな体と、大きな耳、そしてクリクリとした目が実にかわいい動物だが、このフェネックを取り上げるメディアの中に「ナウシカのペット」という表現を用いている媒体があり、その部分が一人歩きを始めていることに反発の声が上がっている。

「ナウシカのペット」とは、宮崎駿監督の映画「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」に登場する小型の動物のこと。基本的に人間には懐かない動物だが、ナウシカには心を開き、肩に乗ってナウシカと行動を共にするなど、そのかわいらしい姿に多くのファンが虜となった。設定では架空の動物の“キツネリス”(※実在するキツネリス=フォックスリスとは異なる)とされており、モデルになった動物は特に明かされてはいない。

確かにフェネックの大きな耳は“キツネリス”を連想させる風貌だ。昨年11月に毎日新聞が報じた際には、飼育展示係の永田典子さんが「『風の谷のナウシカ』に出てくるペットに似ていると人気です」とコメントしていることから、「フェネック=“キツネリス”」説は関係者や来園客の間では評判となっているのは事実なのだろう。ただ、1月7日に吉祥寺経済新聞が「ナウシカのペット−フェネックの赤ちゃん3兄弟、井の頭公園で公開」との見出しを付けた記事を各ポータルサイトに配信し、それがポータルサイトでも取り上げられたことで、事情が変わってきた。

ネットで「ナウシカ フェネック」などで検索すると、吉祥寺経済新聞の報道をもとに「井の頭自然文化園」のフェネックに言及しているブログがたくさん出てくるが、「ナウシカのペットのモデル」「テト(=ナウシカ登場時のキャラクター名)に会えるなんて」など、多くの人に誤解を与えたまま話が広がっているようだ。そのため、スタジオジブリファンや「風の谷のナウシカ」ファンなどからは「ひどい誤解だ」「スタジオジブリはどう思ってるのだろう」「何の関係もないのに」といった反発の声も上がっている。

なお、「ナウシカのペット」かどうかは全く別にして、フェネックは本当にかわいい動物だ。特に元気に飛び跳ねるフェネックの子どもたちは一見の価値アリ。東京・吉祥寺を訪れる機会があれば、「井の頭自然文化園」に足を伸ばしてみてはいかが?