渓流釣り、海釣り、船釣り……、魚がいるところには「釣り」がある。釣りたい魚によって異なる道具や仕掛けの数々。魚に勝つのか負けるのか。自然の中での「瞬間の勝負」に魅了されたファンたちが、釣りの魅力を語る。

■今回のテーマ:釣り
「バス釣り」が全国的に流行した1998年ころはまさに「釣りバブル」の時代。ブラックバスがきっかけで新しく釣りを始める人が急増し、この時期、釣り人口は2000万人ともいわれた。ブームが落ち着いた今でも子供から大人まで幅広い年代に支持される「釣り」。川や海、湖など、場所によって、道具やスタイルが大きく異なる「釣り」の魅力を探った。

今回は日本を代表する釣り道具メーカーのひとつである、ダイワ精工株式会社を訪問。今年50周年を迎えたこちらの会社は「第二の創業」をテーマに生まれ変わろうとしている。ファンが納得する道具を開発するため、釣りを愛する社員たちが日々情報交換する職場は情熱にあふれている。こちらでロッド設計に従事する及川氏に、設計者・ファン双方の立場から「釣りの魅力」についてうかがった。

Q:釣りに興味をもったきっかけは?
最初のきっかけは釣り好きな父や祖父の影響ですね。物心ついたときから父に連れられて釣りに出かけていました。
私は札幌出身なんですが、発寒川のドジョウや小樽のカレイ、茨戸のワカサギなど、札幌には釣りが楽しめるところがたくさんありましてね。私が小さいころはファミコンなんてなかったので(笑)、外で遊ぶことになるんですけど、遊びのひとつが釣りでした。

Q:釣り道具の思い出は?
道具は最初父のものを借りていたんですけど、ひとりで釣りに行くようになってからは自分の竿が欲しくなりましてね。そんな中、カーボン製のロッドが出始めました。当時ロッドはたいていグラス製で重くて、子供でも買えるような安いロッドは特に重かった(笑)。「竿を軽くする」というのは今でも設計のうえで大きな課題ですが、グラス製が全盛の中、カーボン製の軽いロッドが釣りファンに与えた衝撃はすごかったですね。
カーボン製のロッドではダイワの渓流竿「華厳」を使ってました。このロッドでは渓流での餌釣りで、イワナやヤマメなんかを釣ってましたよ。

Q:ロッド設計のお仕事とは?
ロッド設計の大変なところは「答えがない」ところ。釣る場所や魚、人それぞれの好みによって設計は大きく変わってきます。リールは機能的な要素が多く、性能向上という意味では目指す方向にそれほどブレは出ないんですが、ロッドは少し違うんですね。性能的な追及も当然必要ですが、地域性・釣り方なども設計要素に大きくかかわってきます。

またロッドには工芸品のような魅力という側面もあるんですね。今でも和竿を求める人がいるように、外観や趣に価値観を求める人たちもいます。昔はこうしたよいものは多少高くても売れていましたが、今は競争が激しくなり、ほかの製品同様安くてよいものが求められる傾向が高まっています。

Q:ロッド設計で印象的だったエピソードは?
設計はある段階になると釣りのプロともいえるテスターにチェックしてもらうんですね。あるとき、ロッドの試作品をチェックしてもらったところ「ワンピースなのに何となくつながりが悪いね」と言われました。自分は気づかないところだったので、意外に思ってCAD上で解析し直したところ、確かに竿の曲がる頂点がきれいに後方に移らない部分があるのに気づきました。

ロッドは先端から後方へとだんだん硬い素材になっているため、魚の引き具合に応じて絶えず頂点が変わる弧を描きます。このときは途中に使用したカーボンの剛性値がきれいなカーブの邪魔をしていたんですね。テスターは使い心地でそれに気づいた。この後、問題の部分の剛性のバランスを変えて作り直したロッドをチェックしてもらったところ、無事OKがでました。

こうしたテスターが感じる微妙な感覚を、設計での数字に置き換えて納得できる使い心地を追究していく。ロッド設計はこの繰り返しなんですよ。

Q:釣りの魅力とは?
まず自然に溶け込めるところですね。魚が釣れるのはたいてい自然にあふれる環境。札幌では渓流釣りや海釣りなど、いろいろな場所の自然に触れていました。……≫続きはこちら



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