――共演された松田龍平さんの印象はどうでしたか?

市川:松田さんとは、5、6年前にお仕事でご一緒したことがあって。お母さんの松田美由紀さんとも共演したことがありますし、仕事がオフのときに、たまたま2、3回会ったことがあるので、面識はありました。本当に気取らない、そのまんまでいる人なので、人をあんまり緊張させませんね。現場では、みんなでたくさん昼寝をした気がしますね。撮影が夏で暑かったので、控え室が普通の民家の時は、子役の子も、私も、龍平さんも隙あらばゴロゴロ、ゴロゴロ(笑)。夏休みみたいな雰囲気でした。

――番苦労されたシーンはどこですか?

市川:自分の命を絶つシーンがあって、台本読んだ時も「辛い…」って思いましたね。あと、子供を泣かせるシーンも辛かったですし、人の首をしめるってことも。もちろん、台本だし、塚本監督の世界だし、エンターテイメントの世界だしって分かってるんですけどやっぱり辛くって。でも、出来上がったものを見て、最後のシーンを見たら「良かったぁ!」って救われたので。やっぱり最後のシーンの持つ力がすごいんですね。

――ハードな撮影の合間に、市川さんが気分転換にされることって何かありますか?

市川:意外と、こういうホラーだったり重い内容の作品ほど、現場は楽しいんですよ。いろいろ仕掛けも多くて。撮影現場も、こういう作品の方が和気あいあいとしていて。でも、辛かったことって後で気付くんですよね。終わった後なんかになってやっと。私もつい最近まで辛かったことを忘れてて、このシーンも、あのシーンも暑かったし辛かったしっていうのをインタビューしているうちに思い出して。だから撮影中は気分転換は必要なかったですね(笑)。

――母親役には初挑戦でしたか?

市川:実は2回目なんですね。以前テレビドラマでやらせていただいたことがあるので。

――市川さんは将来どんな母親になりたいですか?

市川:子供に嘘をつかない母親になれたらいいなって思いますね。例えば親や先生に、「なんでこうなの?」って聞いた時にモヤモヤっとした答えが返ってくることが子供の時にあって。「それは結局なんだったんだろう…」ってずっと考えてた記憶があるので、子供に何か聞かれたことに対して、むずかしいことも、わからないことも、偽りなく応えられるような大人になりたいなって。

――母親役を演じる上で、実際に市川さんのお母さんに相談をしたりは?

市川:してないですね! 私、母親に仕事のこととか何も言わなくて。妹も女優をやってるんですけど、妹も言わないみたいで。母はインターネットで調べまくってて、「私より妹のこと知ってる」とか、妹も「私より姉のこと知ってる」って、よく二人でびっくりしています(笑)。