「DEATH NOTE」の原作を手がける大場つぐみは、アニメ化もされた「とっても!ラッキーマン」のマンガ家・ガモウひろしなのではないか。何年も前からネットを中心に流れているこの噂。「大場つぐみ=ガモウひろし」説は周辺情報から真実味を帯びつつも、コレといった決定的な証拠もなく、マンガ界における大きな謎の一つとされてきた。

例えば「教えて!goo」に2007年に投稿された「大場つぐみの正体はガモウひろし?」のトピックでは、同一人物だとされる根拠として、次のような回答が寄せられている。

・2005年1月に開催された「第4回日本オタク大賞」で、岡田斗司夫とマンガ原作者の鶴岡法斎から名指しでの証言が出た。
・「DEATH NOTE」の第1話において、主人公「夜神月」が通っている塾が「蒲生(がもう)ゼミナール」となっている。
・ガモウひろしには、ミステリー系のマンガ作品「僕は少年探偵ダン♪♪」を描いていた経緯がある。
・「DEATH NOTE」単行本7巻の作者紹介にある絵、「DEATH NOTE How to read 13」で紹介されている大場つぐみの絵のタッチがガモウひろし作品と似ている。

岡田斗司夫と鶴岡法斎の発言は「大場つぐみはガモウひろしである」とするのみで、発言の根拠となっている詳細な情報の出所などについては明確にされておらず、また、ほかの情報も「似ている」「過去の経歴から推測される」といった域を出ていない。また、ガモウひろしの息子を名乗る人物が2ちゃんねるで真相を暴露したとの話もあるが、公式に「大場つぐみ=ガモウひろし」が語られたことはないまま、現在に至っている。

こうした中、「DEATH NOTE」の大場つぐみと小畑健のタッグによる新作「バクマン。」(2008年8月から週刊少年ジャンプに連載中)の単行本1巻が1月5日に発売されたのだが、この単行本に「大場つぐみ=ガモウひろし」説を裏付ける重要なヒントが隠されていると、話題を呼んでいる。

単行本には大場つぐみと小畑健の両人によるネーム(コマ割りやセリフを簡単に書いたラフスケッチ、絵コンテのようなもの)が収録されているのだが、大場つぐみのネームのタッチが「ラッキーマン」で描かれたガモウひろしのタッチに酷似。さらに単行本の表紙をよくよく見てみると、部屋に積まれた「週刊少年ジャンプ」の上に、「ラッキーマン」と思しきキャラクターの描かれた本が置いてあることも判明。作者側からガモウひろしを匂わせるサインが発せられていることが分かった。

ちなみに、作中には主人公の真城最高のおじで、マンガ家の川口たろうという人物が登場するのだが、連載開始当初から、この人物のキャラクター設定(描いてるマンガや経歴など)がガモウひろしをモデルにしているのではないか、と一部で話題を呼んでいた。単行本での「ラッキーマン」サインと合わせて考えると、ジワジワと「大場つぐみ=ガモウひろし」であることを明かしていく狙いがあるのかもしれない。

「バクマン。」はマンガ家を目指す2人の少年を中心に繰り広げられる物語。「週刊少年ジャンプ」や、同誌に連載されていた有名作品が実名で登場するなど、リアリティのある作品として注目されている。