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「言葉狩りより芸術性」放送禁止用語を堂々流すTOKYO MX

2009年01月04日08時00分 / 提供:日刊サイゾー

日刊サイゾー
「言葉狩りより芸術性」放送禁止用語を堂々流すTOKYO MX
 一瞬、我が耳を疑った。何気なく見ていたテレビから、いわゆる「放送禁止用語」が、普通に流れてきたのである。

 番組は、TOKYO MXの「円谷劇場」という枠で再放送されている、『帰ってきたウルトラマン』。70年代以前に制作された番組には、現在では放送に不適切な表現を使用していることが時々あり、その部分を無音処理して放送されるケースが多い。最も有名なケースが、『巨人の星』の少年時代のクライマックス、主人公・飛雄馬が父のことを誇りに思う名シーン、「父ちゃんは、日本一の日雇い人夫だ!」という箇所が、無音になってしまっているところだ(ちなみに現在では番組サブタイトルも変更されている)。こういった処理は、地上波、BS、CS問わず、現在ではそれが当たり前のこととなっている。『太陽にほえろ』で三田村邦彦が演じたジプシー刑事は、そのニックネームそのものが現在ではちょっと問題らしく、現在地上波では放送されなかったりもする。

 しかしこの『帰マン』、また別の回でも無音処理されず、そのまま放送された。「円谷劇場」では番組冒頭、画面一面に、こんな注釈が映し出されてから本編がスタートすることになっている。

<本作品は作品のオリジナリティーを尊重するため、そのまま放送します。ご了承ください。>

 コミックの世界でも、外国人の表現などで一時期発売が自粛されていたものが、このような一文を入れることで、再発売されるようになったケースもある。もちろん、ケースにもよるだろうが、極端な内容でなければ、作品性を尊重するという意味では、ひとつの正しい判断かと思う。

 しかしそれにしても、東京ローカル局ではあるが、最も目にする機会の多い地上波で、このクレジットを入れるだけで、そのまま放送するというのはスゴい。ある特撮マニアが言う。

「MXの『怪奇大作戦』という番組の再放送のとき、内容が危なすぎて、今は欠番となった回があるんですが、なぜかそれが放映予定リストに入ってたことがあったんです。スゴイ! と思ったのですが、さすがにそれは放映されず、別の回が放送されましたけどね。それでもそのまま流してくれるMXのこの枠は、評価高いですよ」

 TOKYO MXの担当者に話を聞いた。

「まさにその通りです。現在では適切ではない表現が出てくることもあるのですが、作品の作られた時代背景や、芸術性などをご理解いただいたうえ、オリジナリティーを尊重し、そのまま放送するということにご理解をいただきたいと思っています」

 これは、決してMXが基準のゆるい局だということではない。「円谷劇場」が、夜11時台の放送ということもある。他の時間帯での再放送の場合はまた、音声処理なども含めた、別の対応になってくるわけで、午前中の再放送だった『巨人の星』では、音声を処理したものが流された。

「時間帯と、この番組に関しましては、主に30代後半〜40代の視聴者の方が多いと思いますので、オリジナルの放送をすることの意義を理解していただけると思います」(MX担当者)

 ところで、このいわゆる「放送禁止用語」の扱いだが、実はこれは、明確なガイドラインというものが存在しない。各社それぞれの判断ということになる。あるテレビ関係者が言う。

「民放連で設けた、放送基準のガイドラインはあるのですが、それには強制力はないんです。だから、各局の自主判断ということになるんですが、スポンサーを気にしたりして、なかなか思いきったことはできない。ちゃんとそのまま放送しているMXはすごいですね」

 音楽の世界でも、長らく放送禁止曲の扱いだった『イムジン河』が、テレビで流れるようになったりなど、内容を吟味したうえで、問題なく放送できるようになるケースも増えてきている。

「たけしさんの言う『ペンキ屋』とかもそうですが、侮蔑的でない場合とか、なんでもかんでも言葉狩りみたいにしていくよりも、それぞれの判断で流すという流れになっていくんじゃないですかね」(前出・テレビ関係者)

 視聴者側にも、メディア側がどういう判断で「危ない一言」を放送しているのかというリテラシーが求められていくのだろう。(編集部)

※画像:TOKYO MX『帰ってきたウルトラマン』HP


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