hyde、西川貴教、jealkbらが事務所の枠を越え武道館で共演

　2002年にDANGER CRUE生誕20周年を記念して、クラブチッタ川崎にて開催されたイベント「天嘉（デンジャー）」。翌2003年から舞台を日本武道館へと移し、昨年2007年からは「JACK IN THE BOX」へと改め、hydeとGLAYがコラボレーションしたことでも大きな話題を集めた。事務所に所属するアーティストの世代を越えたセッションが話題のイベントであったが、昨年のコラボレーションがきっかけとなり、今年も12月27日に日本武道館にて、事務所の枠を越えたアーティスト同士の交流の場として盛り上がった。

　金網で囲まれたステージにはツインドラムが置かれ、ある種不気味な雰囲気すら漂う中、15時からイベントがスタート。まず登場したyukihiroのソロプロジェクト・acid androidのメンバーを中心に構成されたセッションバンドは、Ministryのカバーを4曲披露し、この日のイベントがこれまでとは違う趣であることを感じさせた。その後もギルガメッシュやゾロといった若手バンドのライブの合間にセッションを挟む形で進行していき、2008年にメジャー進出を果たしたシドがメジャーデビュー・シングル「モノクロのキス」を含む4曲で会場を大いに盛り上げる。続いてソロ活動中のkenも「Rock And Roll」（LedZeppelin）や「白い花」（松山千春）のカバーと共に2009年3月に発売されるシングル「Deeper」を初披露。この日発表されたアルバムとツアー情報に、ファンの期待を高めることとなった。

　中盤に入りさらに会場をヒートアップさせたのは、出演告知が無かったにも関わらず、ヒョウ柄のコートを身にまとい悠然とステージに姿を現したhyde。プライベートでも交流があるというシドのベーシスト・明希が中心となりセッションバンドを結成し、「Sweetness」（Jimmy Eat World）と、「3年前から『どうしても一緒にやりたい』って言うから、『1回だけだぞ』と言ってやることになりました」とL'Arc〜en〜Cielの初期のナンバー「All Dead」を披露すると、客席からは悲鳴に近い歓声が沸き起こった。

　そして、ソロとしては2年ぶりのイベント出演となるtetsuの呼びかけで集まった、西川貴教（ヴォーカル、T.M.Revolution）、INORAN（ギター、LUNA SEA／Tourbillon）、雅-miyavi-(ギター）、SHUSE（ベース、ex-La'cryma Christi）、白鳥雪之丞（ドラム、氣志團）の6人で行われたスーパーセッション。この日、自身のライヴを終えてから駆けつけたという西川は、「こんな機会に恵まれて、本当に嬉しい」と挨拶すると、tetsuとの関西弁での軽妙なやりとりを挟みつつ、お互いの曲である「WHITE BREATH」「READY STEADY GO」を披露した。

　また、「俺たちが結成した時からお世話になってます。こんなすごいイベントに呼んでもらえるなんて感激です」と丁重に挨拶をしたのは、バラエティ番組などでお馴染みの彼が“haderu”と名乗り結成した「自称日本一低姿勢なヴィジュアル系バンド」、jealkb。この事務所に所属するムックの達瑯（ヴォーカル）との交流が深く、今回のゲストとして招待したとのこと。「こういうサプライズがたくさんあるのが、JACK IN THE BOX。そうだろ？」という達瑯の言葉が、“びっくり箱”というイベント・タイトルの意味を感じさせてくれた。

　ムックやBUG、そしてハードロックの一時代を築き上げた44MAGNUMのステージの後、ラストを締めくくるビッグ・サプライズとして、事務所に所属するヴォーカリスト5人、Paul（44MAGUNUM）、kyo（BUG）、hyde（L'Arc〜en〜Ciel）、達瑯（ムック）、マオ（シド）によるセッションが行われた。44MAGNUMの曲をkyoが、Die In Criesの曲をhydeが、L'Arc〜en〜Cielの曲を達瑯が、ムックの曲をマオが、そしてシドの曲をPaulが歌うという夢のスーパー・メドレー。時代を作り上げてきたアーティストたちが、それぞれの存在をリスペクトし合い、お互いにエールを送る。「この事務所は、44MAGNUMから始まりました。だから、この曲で締めたいと思います」という達瑯の言葉をきっかけに、この日出演したメンバーが集結し、MARVERICK DC SUPER ALL STARSとして44MAGNUMの「SATISFACTION」で大団円を迎えた。

・ラルクアンシエル｜T．M．Revolution - アーティスト情報
・MAVERICK DC GROUP PRESENTS JACK IN THE BOX 2008