今年1年間に天国と地獄を味わったフランスの選手で真っ先に思い出されるのがバフェティンビ・ゴミス(サンテティエンヌ)であろう。

 ゴミスは年明けからゴールを量産(11得点)し、かつての名門サンテティエンヌが昨シーズンの最終結果で5位に滑り込み、23年ぶりの欧州カップ出場権を得る原動力となる活躍をした。

 その甲斐あってフランス代表ドメネク監督の目にとまり、ユーロ2008開幕直前のエクアドル戦に後半から出場、フランスではジダン以来となる代表デビュー戦2ゴールという快挙を成し遂げ、ベン・アルファ、シセらのライバルを蹴落として、ユーロ2008代表メンバーの座を射止めた。

 しかし大会がはじまってみると、大舞台での経験不足、国際レベルの力量に達していないことが露呈し、まったくの不発に終わった。

 その後シーズンが開幕して、「ゼロからの出発」を誓ったゴミスだったが、UEFA杯では結果(5試合3得点)を出しているものの、リーグでは前半戦の19試合すべてに出場しながら4得点と期待からはほど遠い成績。今季リーグ・アンのダークホースと目されたチームも17位と降格圏ぎりぎりの下位に甘んじている。

 そのゴミス、20日のオーセール戦でゴールをあげ、後半戦の巻き返しに望みをつないで今年最後の一戦を勝利で飾った翌日、気分よくバカンスに向かうはずの空港で、とんだ災難に見舞われた。

 25日のリヨンの地方紙ドーフィネ・リベレによると、ゴミスはバカンスに出発するリヨン・サンテグジュペリ空港で置き引きに遭っていた。盗まれたバッグには、家族や友人への手土産だろうか、総額1万ユーロ(約126万円)相当の品物が入っていたという。パスポートも盗まれ、予定していた便への搭乗もできなかった。

 幸いパスポートの盗難手続き後ほどなく再出発することはできたというが、ゴミスにとって激動の1年はさんざんな締めくくりとなった。これで1年の厄落としが済んで、昨年、一昨年同様、シーズン後半の爆発につながるよう期待したい。