最前線で活躍しているコンサルタントやPMは、どんな方法論や管理手法を駆使しているのか。またそれらはどうやって身につけたのか。今回4人のコンサルタントとPMに取材をし、その秘訣を探った。

■Part1 コンサルタント編 クライアントとともに培った方法論を学ぶ!
 「できる」といわれるコンサルタントはどんな方法論を用いているのか。一般的な書籍で語られていること以外に、彼らには現場での経験を通して得た独自の方法論がきっとあるはずだ。では実際にどのようなことを意識して、コンサルティングを行っているか、役に立つ考え方、視点の持ち方を指南してもらう。また、所属している企業ではコンサルタントを育成するうえで、どんな環境を用意しているのかについても語ってもらった。

■事例[1] 顧客の望むものがどこにあるか、話をして潜在的な意識を具体化する/フューチャーアーキテクト株式会社
◆ コンサルタント的な視点とはどうあるべきか
 転職当初はSIer的な視点でコンサルティングを捉えていた、と田中さん。入社2年目から携わった大規模なCRMのプロジェクトで、コンサルタント的な視点がどうあらねばならないかわかったという。
「SIerは約束する仕組みをつくることがゴールですが、Futureの目指したゴールは売上の向上。つまり単にシステムを開発するだけではなく、ゴールにつながることであれば、業務・組織改革も含め、システムの枠を超えて考えていくことができたのです」(田中さん)
 システムを開発している最中にも、ビジネスの状況は変わる。その多様性を吸収して、顧客が踏み出す次の一手は何かを具体的に提供することもコンサルタントの重要な仕事だ。「この視点に気付いたのは、このプロジェクトを率いていたリーダーがいたから。彼とともに仕事をするうちに気付きました」(田中さん)

◆ 重要なのは、顧客の期待とデリバリ力のコントロール
 田中さんがコンサルティングで第一に重視しているのは、成功の定義。手の届く納得性の高いゴールを目指すことが大事だという。「顧客と話をしていく中で、潜在的な意識を掘り起こし具体的な次の一手を与えるようにしていく」と田中さん。そしてもう一つ重要になるのが、顧客の期待とデリバリ力のコントロールだ。「顧客の期待を過度に上げ実現不可能なゴールへ導いてしまうと、結局は顧客の期待を裏切ることになる。顧客の期待を実現可能な解へ制御していくことが、コンサルの重要な仕事です」(田中さん)

◆ 統一されたメソッドではなく、顧客ごとに作り上げる
 フューチャーには普遍化された手法はない。「顧客ごとに条件は異なる。その異なった条件の中で最適な手法を考案し、仕組みを提供することが当社のミッション」と言い切る。
「当社の社員は何事も自発的に行う。昨年度から始まった寺子屋はその一例。過去のナレッジを教育と絡めて共有するための場を提供しており、非常に参考になっています。そういった企画は社員自らが生み出していくのです」 

■事例[2] 問題の捉え方、考え方を顧客と揃え、とことん考え抜いた提案を/ウルシステムズ株式会社
◆ とことん考え抜いて顧客が納得できる提案を心がける
「ITコンサルタントとしてやっていけるかどうかは不安でしたが、約10年間IT部門にいたことは顧客の中で同部門の位置づけが分かるという意味で大きなメリットとなりました」
 小林さんは転職時を振り返る。小林さんがウルシステムズに入社してまず携わったのは、某情報サービス産業のシステム改修計画の支援。「現在抱えている問題の把握から、将来の計画を策定するまでの支援でした。顧客への適切な提言ができているか、上司の厳しいチェックはもちろん、顧客からも厳しい洗礼を受けました」(小林さん)