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建前と本音が交錯する一般用医薬品の対面販売、説明義務努力ではなく罰則規定を設けよ!

2008年12月16日10時38分 / 提供:PJ

pj
建前と本音が交錯する一般用医薬品の対面販売、説明義務努力ではなく罰則規定を設けよ!
数々のOTC医薬品(撮影:宮本聰)
厚労省が一般用医薬品(OTC)のネット販売に待ったをかけようとしている。現在、OTC医薬品はリスク上から1〜3類に分類されているが、このうち1類及び2類に属する医薬品は対面販売に限るとし、ネット販売では3類のみしか販売できなくなる。これに対して、日本オンラインドラッグ協会と一部ネット業者が猛反対をしている。

 事の起こりは、来年6月施行予定の改正薬事法で、条件が整えばコンビニでも一般医薬品を販売できるようになり規制緩和されることだ。一方、省令でインターネットなど通信販売による医薬品販売を規制し、ネット販売では3類しか認めないというものである。

 薬は有機化合物であり、本来身体には毒(副作用が伴う)で、飲まないにこしたことはない。元来、ちょっとした体調不良で気軽に買えるOTC医薬品は、有効成分がはっきりし、副作用が少ないから一般薬として薬局やドラッグストアで買えるようにしたのではなかったのか。その一般薬の販売方法を巡って攻防が繰り広げられている。購入者の立場から、率直な疑問を呈したい。

一般医薬品の扱いはどうなっている?
 医療用医薬品は医師でなければ処方できない。他方OTC医薬品はもともと大衆薬と言われ、何となく風邪気味で体がだるい、微熱もあるといった症状の初期に対症療法として自己の判断で自由に買うことができる。

 いつのまにか、一般薬にもリスク分類を細かく定め、薬剤師の説明を求めるようになった。ただ、これも努力義務であって罰則規定はない。説明しなくともおとがめなし、なんと矛盾したことかと規制した当局のおざなりぶりには驚いてしまう。

薬剤師の役割は何?
 一般医薬品は対面販売(OTC)により薬剤師による説明を努力義務として課している。「努力」だから「絶対」ではない。異論があることを承知であえて言えば、形ばかりの管理薬剤師を置けばよい。

 薬剤師といえど万能ではなく全ての薬剤に精通しているわけではない。多くの薬剤師は剤型による吸収や代謝の違いなどの専門知識は持ち合わせているが、1類に分類される薬剤の薬物動態や重篤な副作用情報まで全てを持ち合わせているかといえば甚だ疑問である。相互作用や飲み合わせの禁忌となると薬局薬剤師でも難しいと思う。(もちろん、専門知識を持っている薬剤師がいることを否定するものではない)もともと、それほど厳しい管理下におく必要がないのがOTC医薬品ではないのか。

 こんな状況下、店頭で薬剤師が説明すべき内容の規定もない。パッケージインサート(効能書き)を全て説明せよとでも言うのか。おざなりになることは明白である。

実態を知っているの?
 実態は全くかけ離れたもので、「このメーカーの○○を下さい」と薬を指定して買う人も少なくない。親しんだ薬やわが家ではこの薬と決めている人が意外に多い。このためOTC医薬品を購入する時に薬剤師のお世話になることがほとんどない。薬剤師が店頭で「胃の調子がおかしいのですがお勧めの薬はなんですか?」と聞いてきたお客さんにどこまで内容(特に副作用情報)を説明しているだろうか。また、求められているだろうか。

努力義務は「ない」に等しい?
 対面販売を原則とするなら、薬剤師が説明義務違反した場合には罰則に処すくらいの政令化をすべきではないか。本音と建前とが交錯する現状に疑問を抱かざるをえない。「はい、お大事に」と言うことで対面販売といえるのか。

 製薬会社や患者団体が「薬は副作用のあるものであり、店頭販売が大原則」と声高に叫んでも、その実態はあまりに違いすぎる。建て前論を言っているに過ぎないのではないか。1・2類のネット販売はいけないとするなら、現在の対面販売を是正しないとつじつまが合わない。

 「木を見て森を見ず」ということわざがあるが、厚労省は今更何を期待してのことだろう。製薬関連団体や患者団体の突き上げにあって、矛先をなんとか収めようとするポーズに思えてならない。もちろん、製薬業界にいた者として薬禍がおきてはならないことに異論はない。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 宮本 聰

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