この期に及んで、ポルシェはなぜ販売が好調なのか?
2008年12月01日22時25分 / 提供:Techinsight Japan
ポルシェAG(本社:ドイツ)は今年度の販売台数は、前年度を下回るという予想を発表している。これにおいては、全世界の自動車メーカーに当てはまることである。注目すべきは、ポルシェジャパンの販売台数だ。日本の自動車市場において、輸入車の占める新車登録の割合はほぼ横ばいで、ここ10年間で数パーセント下降している程度である。しかし、ポルシェにおいては200%以上のとんでもない上昇率をみせている。今年度に限っても7パーセントのアップを果たした。今年度、前年比で上昇を示すメーカーは他にはないと思われる。この好調の鍵は何なのか。
ポルシェ本社は、世界的に需要が落ち込んでいるため、一部の工場の休止を発表をしたが、これくらい今となっては珍しいニュースではない。むしろ当たり前とすら思える。
ポルシェは前年度98,652台を売り上げたが、今年度はその数字に達することは難しいと判断し、生産台数の調整をはかった。
しかし日本の販売台数では、ボルボ、プジョーを抜いて第7位にのし上がり、販売台数も前年度を上回っている。これだけ景気の悪い日本市場である。プジョーのように小さいモデルはない。ボルボのようなステーションワゴンもない。唯一の4ドアがカイエンという最低でも700万を楽に越える大型SUVである。それ以外は2ドアで、乗車定員こそ4人であってもリアシートに大人が座るようなスペースはないという、実用性には程遠い車ばかりである。なぜこの時期にポルシェが日本で売れるのか?
ポルシェは発注した時点で70%の車が売れているという。そして、船が日本に到着した時点では92%の車が売れているという状況にある。この時点でわかるのが、生産台数が多すぎないことがわかる。それでいて、購入者を待たせない。適度な数と適度な納期はそう簡単に両立できるものではない。
ポルシェには独特のポリシーがある。車造りにおいては、その形をみれば一目瞭然であるが、その経営方針も日本のメーカーにはないものが感じられる。バブル崩壊後日本経済は下降の一途をたどり、自動車の販売も同じ道を歩んだ、販売台数を確保するためにコストを下げて価格に反映させ、また販売店で値引きをする。そしてニューモデルを次々と投入してユーザーの購買意欲をくすぐる。これが日本のやり方である。
ポルシェは、ニューモデルに頼らない売計画を掲げるという。それはどういうことか?ニューモデルを大々的に発表してそれを売ろうとするのでなく、既存のモデルを引き続き率先して販売し、それによって利益を上げて目標を達成する。ニューモデルは売れた分だけ利益の上乗せといった考えだ。理想的であるがそう簡単に実行できることではない。ニューモデルが出ても、既存のモデルを売るということは、既存のモデルにそれなりの魅力がないといけない。日本車ではこれは絶対になしえないことである。なぜなら、同じようなコンセプトの車が多数存在し、それぞれの主張がないからであろう。しかしポルシェには大きく分けて4つしかモデルがない。この4つがそれぞれの味を持っており、ニューモデルが出たからそっちにしようという話にはならないのであろう。
こう考えると、本当に魅力的なものをつくれば、不景気の中でも売れることがわかる。そしてその魅力を貫き通すことは容易ではない。でもその先に見えたのがこの結果である。
他の自動車メーカーが、ポルシェを真似ればいいという問題ではない。しかしこの現実を、重く受け止めるか、ただ隣の芝が青く見えるといって眺めているかで、数年後の明暗は分かれているかもしれない。
(編集部:自動車魂”世界一car journalist 木下)
【”自動車魂”世界一car journalist 木下の記事はこちらから】
・販売絶好調のポルシェ、今度はディーゼル仕様を追加。
・「痛車」のカリスマ、アキバに現る。
・「ビッグ3の行方は」公的支援には自己犠牲が条件。
・アメリカ自動車のビッグ3のトップ、3人とも自家用ジェットで乗りつけ、お灸をすえられる。
ポルシェ本社は、世界的に需要が落ち込んでいるため、一部の工場の休止を発表をしたが、これくらい今となっては珍しいニュースではない。むしろ当たり前とすら思える。
ポルシェは前年度98,652台を売り上げたが、今年度はその数字に達することは難しいと判断し、生産台数の調整をはかった。
しかし日本の販売台数では、ボルボ、プジョーを抜いて第7位にのし上がり、販売台数も前年度を上回っている。これだけ景気の悪い日本市場である。プジョーのように小さいモデルはない。ボルボのようなステーションワゴンもない。唯一の4ドアがカイエンという最低でも700万を楽に越える大型SUVである。それ以外は2ドアで、乗車定員こそ4人であってもリアシートに大人が座るようなスペースはないという、実用性には程遠い車ばかりである。なぜこの時期にポルシェが日本で売れるのか?
ポルシェは発注した時点で70%の車が売れているという。そして、船が日本に到着した時点では92%の車が売れているという状況にある。この時点でわかるのが、生産台数が多すぎないことがわかる。それでいて、購入者を待たせない。適度な数と適度な納期はそう簡単に両立できるものではない。
ポルシェには独特のポリシーがある。車造りにおいては、その形をみれば一目瞭然であるが、その経営方針も日本のメーカーにはないものが感じられる。バブル崩壊後日本経済は下降の一途をたどり、自動車の販売も同じ道を歩んだ、販売台数を確保するためにコストを下げて価格に反映させ、また販売店で値引きをする。そしてニューモデルを次々と投入してユーザーの購買意欲をくすぐる。これが日本のやり方である。
ポルシェは、ニューモデルに頼らない売計画を掲げるという。それはどういうことか?ニューモデルを大々的に発表してそれを売ろうとするのでなく、既存のモデルを引き続き率先して販売し、それによって利益を上げて目標を達成する。ニューモデルは売れた分だけ利益の上乗せといった考えだ。理想的であるがそう簡単に実行できることではない。ニューモデルが出ても、既存のモデルを売るということは、既存のモデルにそれなりの魅力がないといけない。日本車ではこれは絶対になしえないことである。なぜなら、同じようなコンセプトの車が多数存在し、それぞれの主張がないからであろう。しかしポルシェには大きく分けて4つしかモデルがない。この4つがそれぞれの味を持っており、ニューモデルが出たからそっちにしようという話にはならないのであろう。
こう考えると、本当に魅力的なものをつくれば、不景気の中でも売れることがわかる。そしてその魅力を貫き通すことは容易ではない。でもその先に見えたのがこの結果である。
他の自動車メーカーが、ポルシェを真似ればいいという問題ではない。しかしこの現実を、重く受け止めるか、ただ隣の芝が青く見えるといって眺めているかで、数年後の明暗は分かれているかもしれない。
(編集部:自動車魂”世界一car journalist 木下)
【”自動車魂”世界一car journalist 木下の記事はこちらから】
・販売絶好調のポルシェ、今度はディーゼル仕様を追加。
・「痛車」のカリスマ、アキバに現る。
・「ビッグ3の行方は」公的支援には自己犠牲が条件。
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