世界経済はサブプライム問題によって不安定になっており、先行きにも不透明な状況となっている。しかし、2008年のクリスマス商戦においてゲーム市場は好調に推移すると予想しており、世界的には過去最高を更新すると考えている。今回は、景気の変動とゲーム市場の動向について考えてみたい。【バックナンバーはこちら】

■ゲーム業界に景気の変動は影響せず

 ゲーム産業は、景気の影響を受けにくいと考えている。その要因としては、
価格が安価である積極的にゲームを購入するヘビーユーザーが存在しており、所得がある程度減少したとしても安定的な販売が見込まれる逆に、好景気であったとしてもゲーム産業は不振に陥ることもあり、ゲーム産業を支えているのはエンタテインメント性にある

の3点が挙げられよう。

 米商務省によると、10月の小売売上高は季節調整後で3,636億9,600万ドルとなり、前月比2.8%減、前年同期比4.1%減となった。この減少率は1992年の調査開始以降で最大。4ヵ月連続のマイナスでもあり、個人消費の低迷が顕著に表れている。

 こうした状況下においても、米国ゲーム市場は好調に推移している。11月に入っても、Xbox360向け「Gears of War 2」の販売本数が発売初日だけで200万本以上となり、発売された週末は150万人以上のプレーヤーがXbox Liveにアクセスして、1,500万回以上のオンラインプレイを楽しんだとMicrosoftが発表するなど、好調を持続していると推測される。また、2001年の9・11事件の後、米国の消費は落ち込んだ局面があったが、この時もゲーム市場は好調に推移した。

■レバレッジが必要とされない価格

 ゲーム市場が景気の変動を受けにくい要因として、「1.安価である」点は、今回の世界的な経済の混乱の中ではより重要なポイントであろう。現在はサブプライム問題に端を発し、世界経済で信用収縮が生じているわけであるが、レバレッジが必要とされる高額な商品の購入においては信用収縮の影響を受けるとみられる。

 すなわち、借金をしてまで購入するような住宅や自動車の消費動向には大きな影響を与える可能性があるが、ゲームの場合は安価であることから、信用収縮の影響は軽微といえよう。とくに、任天堂のDSやWiiの価格は、大人であれば、衝動買いをしてもおかしくない価格帯に設定されており、信用収縮の影響を受けるとは考えづらい。(次ページへ進む)


岡三証券シニアアナリスト 森田 正司[著]

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