大物アーティストの来日ラッシュ
2008年12月01日07時41分 / 提供:MediaSabor
今年はホントに大物アーティストの来日ラッシュが続いている。8月には“東京Jazz2008”でスライ&ザ・ファミリー・ストーンがまさかの初来日をし、この11月にはキャロル・キング(東京は10、11日と21、22日)とザ・フー(東京は17、19日)が連日、武道館と国際フォーラムなどで、続く3週目の週末にはブッカーT&ジ・MGズやジャクソン・ブラウンらも来日してコンサートを行なっていた。
まさに嬉しい悲鳴、と言いたいけれども昨今のチケット代の高騰もあって、少々“悲鳴”の方が大きくなってきた感もあったりするのが悩ましい。しかし、60から70年代に活躍したアーティストたちはすでに六十代を迎えて、来日もこれが最後では、あるいは来日してもコンディションは今回の方がいいのでは、などと悩みつつ、音楽ファンとしてはやっぱり後悔しないためにもなんとか行けるものには行った方がいいという結論になってしまう。
というわけで、迷った末、追加公演のチケットを1週間ほど前に買って臨んだザ・フーの武道館公演。会社のほかの人たちはその前の17日の公演にみんなで行っていて、19日はどうも僕だけのようだったので、もう一つ気分も盛り上がり切らないまま会場に到着したのだが、いざコンサートが始まってみると集まったお客さんの盛り上がりがものすごくて、1曲目の「アイ・キャント・エクスプレイン」が始まったとたん、一気にヒート・アップする会場の熱気に僕自身もあっという間に飲み込まれていた。
「フー・アー・ユー」「ババ・オライリー」「無法の世界」などの代表曲を次々と繰り出すエネルギッシュなステージに応え、メンバーのピート・タウンゼンドとロジャー・ダルトリーももっと早く日本になぜ来られなかったのかと感激していたほど熱烈な歓迎ぶりの客席だったのだが、年齢層は30から50代が中心だったのではないだろうか。お客さんも含めた盛り上がり、という意味では今まで見てきたコンサートの中でも最も印象的だと言ってもいいかもしれない。
一方、フジテレビの番組「SMAP×SMAP」にゲストで登場して、歌も披露していたキャロル・キング。SMAPの番組を見ていても伝わった、飾らないキャラクターで自作の名曲を次々とピアノで弾き語る。
昨07年はメアリー・J・ブライジ、ファーギーとのジョイント・ライヴで来日したのだが、今回は2004年から続いているアコースティック・セットによる“リヴィング・ルーム・ツアー”で、ザ・フーと比べれば静かなコンサート。バックにはアコースティック・ギター/ベースとコーラスを担当する二人が加わるのみだが、70年代の名盤『つづれおり』はもちろん、60年代初頭のアメリカン・ポップス黄金時代にソングライターとして提供したヒット曲の数々、「ロコモーション」「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」「チェインズ」なども交えて、弾き語りながらもヴァラエティに富んだステージを披露した。こちらはお客さんの年齢層はほぼザ・フーと同じくらいかもしれないが、女性も多くて雰囲気はずいぶん違う。とはいえ客席も徐々に温かく盛り上がった。
途中のMCでキャロルが「この中のどれくらいの人がザ・フーを見に行ったの? 私も行きましたが、素晴らしかったですね。ロックしましょう、トーキョー!」などと言っていたのが面白かったけれど(そういえば、ザ・フーも「この曲はキャロル・キング…とビートルズに捧げる」というMCをしていたと思う)、これも来日ラッシュの今年の東京ならではの出来事なのかもしれない。
全世界的にもCDが売れなくなってきて、大物ミュージシャンたちもコンサート中心の活動にシフトしている昨今(とここでも書かせてもらったが… http://mediasabor.jp/2008/05/cd.html)、今年の自分の音楽生活(?)を振り返ってみると、結果的にCDへの出費よりもコンサートへの出費が上回っていたのには、やっぱりそうか、と我ながら驚いている。
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