観光客としてメキシコに渡ったものの、メキシコ・シティの国際空港を住処としてしまい、そこで3ヶ月近く暮らしている日本人男性が話題になっている。空港管理者らによる退去命令に応じずにいるが、彼はいつしか世間の人気者として温かい援助を受けるようになり、居心地は大変よさそうである。


メキシコ・シティのベニート・ファレス国際空港のターミナル1でお騒がせとなっているこの日本男性は、名をノハラ・ヒロシさんといい、今年の9月2日以降ファスト・フード店や空港利用客からの差し入れで腹を満たしながら、イスで眠る毎日が続いているという。

彼に漂う不穏さや体臭に利用客らが不快感を示したこともあり、最初の頃に空港管理者が日本大使館に連絡、なぜ退去命令に応じないのか対応を依頼したという。

しかしその一方で、彼はいつしか空港の中の有名人となってしまい、フード・コートを物乞いしながらさまよう様子があちこちのニュースで紹介され、それ以来、空港利用客が彼に話しかけ、並んで写真を撮り、食べ物を差し入れるという奇妙な光景が続いている。

お風呂にはもちろん無縁、すっかりヒゲも伸び髪はボサボサ、クリーム色のジャケットとフリースの毛布も擦り切れ、不潔感が漂う現在のノハラさんであるが、空港内の清掃を担当しているシルヴィア・ナヴァレッテさんは「彼は大人しくていい人です。ただ座って一日中食べているだけですから」と評価している。

東京出身のノハラさんは、6ヶ月期限の観光ビザでメキシコに入国しており、帰国のためのチケットも持っているが空港を離れようとしない。だが、ビザの期限は守ると公言していることから、来年の3月までは大使館も強制送還などは考えていないという。

20日にテレビ局による通訳付きのインタビューを受けた彼は、「なぜここにこうしているのか自分でも分からないんです」とまずは語った。インタビュワーが差し入れた、フォイルに包まれたサンドイッチとアイス・コーヒーを美味しそうに頬張りながら、しらばくの間楽しげに会話が進められた。

優しいメキシコ人のお陰で飲食物にはまるで困っておらず、テレビ出演をきっかけに、ご馳走される内容も、時には豪華なものもあると語った。こうして写真も撮られることもすっかり慣れた様子である。

2004年、トム・ハンクス演じる東欧人がニューヨークの空港で足止めをくらってしまうという『ザ・ターミナル』という映画があったが、そのことにヒントを得たのかという質問については、前髪をかき上げながら「そのような話を聞いた気がしますが、関係はないです。でも、ボクの人生で『ザ・ターミナル2』を制作するのもアリかな」と冗談を飛ばしたという。

メキシコ人は朗らかで優しい。空港は空調が24時間行き届き、警備員もいる。そして飲食物には困らないなど、大変恵まれたホームレスと言わざるを得ない。しかしこれもあと数ヶ月、帰国は一体どこのエアラインのいつの何便であろうか。隣の乗客はたまったものではないと思うのだが…。

* 画像提供: azcentral.com

(編集部 Joy横手)

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