消えた不条理漫才コンビ『象さんのポット』はどこに!?
2008年11月21日08時00分 / 提供:日刊サイゾー
そんな"消えた芸人"の中でも現在30代以上の人にとって、ひときわ印象的な存在といえば、『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ/80年〜86年)で人気を博した、漫才コンビ・象さんのポットだろう。
「うちのおじさんね、朝から晩まで身を粉にして働いてんのに全然お金ないんだよね。貧乏暇なしだね」
「暇がないってことは働いているんだから、お金が入ってくるんだよ」
「でも本当にお金ないぜ」
「君のおじさん、いったい何やってんの?」
「......奴隷」
ゆったりした独特の間合いでこういった不条理なネタを演じて、とんねるず、ダウンタウンといった実力派がひしめく"『スタ誕』芸人"の中で異彩を放ち7週勝ち抜くも、姿を消してしまった。彼らは、今どこで何をしているのか? いくつかの情報を元に取材を進めた結果、ネタ作りを担当していたとしゆき氏と連絡がついた!
いきなりなんですが、象さんのポットはもう......。
「解散してますよ(苦笑)。90年代の前半くらいまでは活動していたんだけど、相方から『辞めたい』って。それならまあしょうがないか、と」
『スタ誕』出演のきっかけは?
「当時在籍していた映画学校で漫才の授業があって、『スタ誕』のオーディションに連れて行かれることに。そしたら、受かってしまい......」
たまたま、というわけですか。当時の『スタ誕』の雰囲気について聞いてみたところ、意外な答えが返ってきた。
「それが、ほとんど覚えてないんだよね。ほかの芸人のネタを見てもあんまり面白いって思ったことがなくて。もともとお笑いってそんなに好きじゃなくて、『天才バカボン』とか『がきデカ』みたいなギャグマンガばっかり読んでたから、僕らがやっていた漫才はその影響のほうが濃いかもしれないね」
象さんのポットは、自分たちが慣れ親しんできたギャグマンガの発想をベースにして、新しい感覚の笑いを発信していたのだ。
「自分で言うのもあれだけど、同世代やお笑い通の人たちには結構人気があったんじゃないかな。とにかく、ほかの芸人と違うことをやろう、とは思ってたね」
世間に迎合しないアナーキーな芸風で、彼らは時代の最先端を駆け抜けていったのである。解散後、としゆき氏は自営業と併行して映像制作の活動をしているという。
「元々映画学校出身だし、映画を撮りたいんだけど、時間がなくて。来年あたり何か撮ろうかとは思っているよ」
お笑い界のかつての異端児が作る映画とは、どんなものになるのだろうか? 松本人志の『大日本人』に匹敵する作品になるかも、というのは少し言い過ぎかもしれないが、彼らの笑いに衝撃を受けた身としては、どうしても期待してしまう。
(ラリー遠田/「サイゾー」12月号より)
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