今回の【ドラマの女王】はフジテレビ月9ドラマ『イノセント・ラヴ』。現在放送中の『篤姫』にも出演中の堀北真希主演の純愛ドラマ。今回掘北は、『生徒諸君』や、『野ブタ。をプロデュース』で見せた彼女の得意とする「暗い方」の役柄に挑戦している。相手役に演技は素人のゆずの北川悠仁(きたがわ ゆうじん)を投入したフジのもくろみは・・・。はたして成功したのか?とにかくご覧あれ。


上半身裸の男女が、ピアノのカバーみたいな色のスカーフでぐるぐる繋がっている『イノセント・ラヴ』の広告を駅や街角で見た事がないだろうか。一見こんなエロいシチュエーションも、ちっともいやらしく感じさせないのは「大きなお目目ウルウル」の堀北真希の清純さや、あまり顔が知られてない北川のめずらしさ、もちろん彼のもつ爽やかさのおかげである。

ある大物俳優のスケジュール不調整により急遽企画されたと噂される若手中心のキャスティングであったが、ドラマは思いのほかしっかりしたつくりである。掘北の演技は問題ないし、北川のセリフのたどたどしさも慣れると役柄の不幸な青年とリンクし悪くない。

両親を殺害した兄(福士誠治)の存在が、主人公佳音(かのん)の人生のゆくてを阻むのであるが、ピアニストの殉也(北川)との出会いにより生きる希望を見出していく。殉也もまた意識の戻らない恋人聖花(内田有紀)という重い苦しみを抱えていた。運命により引き合わされた二人は、心を通わせ愛し合うようになる。

ベタなストーリーではあるが、殺人者とされる兄のみが知る事件の真相と、ショックのため事件時の記憶が飛んだ佳音がどう絡むのか。今後の展開が気になる。香椎由宇と成宮寛貴の美男美女コンビが「出ています」という程度の役でちょっともったいない感じもするが、全体的にキレイにまとまっている。あとはあっとおどろく結末と、クリスマスに絡めたロマンチックなラストに期待するしかない。

以前堀北が、内山理名の少女時代を演じた映画 『深紅』 も犯罪者と家族が軸のサスペンスで、この作品は隠れた秀作だが、これを見ると『イノセント・ラヴ』にある犯罪社会の影で苦しむ家族の苦悩が更によくわかる。「花ざかりの君たちへ 〜イケメン♂パラダイス〜」のような明るい堀北も好きだが、やはり彼女に似合う役柄は「ひたむきに生きる不幸な女性」。『イノセント・ラヴ』では思いっきりそれをを演じている。

キャッチコピーは「涙が涸れるほど、愛してる」「今を生きる孤独、喪失と再生の物語」。少々韓流ドラマみたいで展開に無理もあるのだが、いくつになっても女性はこういったラブストーリーが大好きなので、おばさんの記者は毎週楽しみに見ているのだ。本当のターゲットではないであろうが、韓流ドラマ好きの大人の女性もたくさん見ているだろう。人恋しいこの季節はこの手のドラマに需要があるのだ。

フジテレビ『イノセント・ラヴ』

(編集部:クリスタルたまき)

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