エンジニアも30代に達すると、さまざまなキャリアパスの岐路に立たされる。最も典型的なのが、管理職と専門職という2つの選択肢だ。それぞれのコースの給与・手当はどうなっているのか。管理職・専門職としての評価基準に不満はないのか。300人に聞いてみた。

■管理職か専門職か、岐路に立たされるエンジニアたち
 かつては「会社員になったからには、役員、部長、それが無理でもせめて課長にならなくちゃ」という志向があった。管理職になるのは、会社員の花道だったのだ。しかし、今はそういう時代ではない。

 誰もが中間管理者や上級管理者になりたくて仕事をしているわけではない。また、最近の会社組織では、仕事はすべて部─課─係という縦のヒエラルキーで統率されるわけではなく、社内横断型のプロジェクト型組織も多い。プロジェクト型組織では、チームを実質的に管理・指導するリーダーやマネジャー役は必要だが、それが管理職である必然性はなくなった。

 管理職といっても名目だけで、実は誰かにまた管理されている悲しい職務従事者のことだと嘆く人もいる。労働基準法でいえば「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の事業に従事する者」は労働時間、休憩、休日の規定から除外されている。つまり管理職には残業代がつかないのだ。

 もちろん、管理職になれば基本給やボーナスも上がり、さらにたいていの企業が管理職手当などの名称で手当を支給するから、総額給与は上がるかもしれない。ところが、昇進以前に長時間の残業などでかなりの額の手当をもらっていると、これがなくなる分、実質給与が下がってしまうというケースもなくはない。管理職になるよりは、一生現場で技術のプロとして生きてみたいという気持ちをもつ人も多いはずだ。とりわけエンジニア職種にはそういう志向性をもつ人が多い。

 そこで最近の企業の多くは、管理職になるか専門職になるか、将来のキャリアパスを選択できるような仕組みをとり入れている。専門職という職種を明示し、管理職にならなくても、その人が発揮する専門能力が高ければ、管理職と同等またはそれ以上に処遇することを可能にする「専門職制度」をとり入れている企業もある。

 そこでは、研究開発に携わる研究者や技術者、SEやコンサルタントなど、収益を高めるために高い専門性が求められる職種が専門職制度の対象となっている。なかには大卒新卒採用の時点から、専門職としての採用を行う企業もある。

 もともと日本企業における専門職制度は、管理職というポスト不足を解消するものとして発想されたものだ。しかし、もちろんそれだけではない。「生産、販売などの各分野の労働者をスペシャリスト化して、その能力の有効発揮を図るため」というのが、本来の目的ではある。また「管理職と専門職の機能分化により組織の効率化を図るため」という組織戦略上の理由を掲げる企業もある。また、大企業では「高度な企画力、研究開発力を有する専門家の確保を図るため」にわざわざ専門職制度を導入するところもある。

 しかし、この専門職(制度)も名目だけで、専門性に見合っただけの報酬を得られないのでは、ありがたみが薄れる。企業によっては専門職手当によって、個々の専門技術を評価しようとするところもあるが、その金額はどのぐらいなのだろうか。

 そこで今回は、管理職と専門職の二つのコースに分かれたエンジニア300人(うち管理職200人)、主に給与や手当、そして働きがいという観点から、いくつかの質問をぶつけてみた。……≫続きはこちら

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