化学業界はもとより、自動車、エレクトロニクス業界でも、現在、化学・材料系エンジニアへの注目度は高い。
彼らの技術が、次世代製品や環境問題解決に決定的な役割を果たすことが期待されているからだ。
企業が寄せる熱い視線をレポートする。

■液晶事業も拡大。自社デバイスへのこだわり
 2008年10月から社名を「パナソニック」に変更することを発表した松下電器産業。海外で知名度の高いブランド名を社名に据えることで、グローバル・ブランドの価値向上を狙う。化学・材料系エンジニアにとっては、4つの戦略事業のうち、まず関心をひくのがデジタルAV事業だろう。プラズマテレビへの大規模投資を継続するとともに、液晶テレビのラインアップ拡充も狙うことを08年度の事業計画に盛り込んだ。

「液晶技術については、2002年に東芝とディスプレイ合弁会社を設立しているが、松下本体でも液晶事業の拡大、将来の有機ELへの取り組みを強めるため、液晶関連技術者の拡充が重要課題になってきた」と言うのは、キャリアリクルーティング室の蔭山室長。

 世界規模でのデジタル家電の増販をより収益性の高いものにするためには、半導体やプラズマ・液晶パネルなど、キーデバイスの開発段階における利益の作り込みが不可欠。つまり「より源流にさかのぼること」(蔭山氏)が必要で、それが材料系エンジニアのニーズに繋がっている。

■環境性能の追求に化学・材料は不可欠
 Hondaグループは、販売、研究・開発、生産の3部門を分離独立させており、このうち研究・開発を担当するのが(株)本田技術研究所。同社の国内3拠点のうち栃木の四輪開発センターは、四輪技術の先行研究から商品開発までに特化し、短期の販売動向や収益状況に影響を受けることなく、研究・開発に専念できる環境が整っている。

 自動車メーカーにとって今、最大の研究・開発テーマといえば、環境負荷の削減。Honda もまた軽量化などによる燃費向上、材質の有効利用、ディーゼルやハイブリッド、燃料電池にいたる次世代エンジンの開発に注力してきた。化学・材料分野ではオールアルミボディや高張力鋼、新世代NOx触媒の開発など、Honda ならではの技術蓄積もある。「環境性能をさらに追求するためには、従来のクルマという枠にとらわれない新しい知見や自由な発想をもつ人材が広く求められている」と、総務課の堀井氏は、化学・材料系エンジニアの中途採用を積極的に行う理由を語る。

 自動車メーカーの材料部門で働く魅力については、「クルマの機能向上という素材開発のニーズが明確。エンドユーザーに近いところで、商品開発に携われる。何よりクルマが大好き、モノづくりにかかわりたいというエンジニアにとっては活躍の場が広い」ことを指摘する。

■社風の魅力を語る中途採用エンジニアたち
 もともと Honda の社風は、独創性、自由闊達、技術の前にはみな平等ということで知られる。社長から現場で働くエンジニアまで全員が作業着。名札には名前だけで、役職名はない。オフィスの机の配置からしてフラット。技術的な課題について「ワイワイガヤガヤ」の議論が社内で自然発生的に生まれる。

「近年入社の中途採用社員に話を聞くと、この社風が気に入っているという声が多い」と堀井氏。また、フレックスタイム制で労働時間を自分の裁量で調節できる、就業時間の管理がしっかりしており、有休消化率も高い、といった労働環境を魅力に挙げる社員も少なくないという。

 2月には材料系エンジニアに特化した転職セミナーを開催予定。「Hondaは長年積極的な中途採用活動を行ってきた為、中途採用社員が全体の約3割を占めている。ぜひ当社の技術者に会って、職場の魅力を直に聞き出してほしい」ということだ。