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信藤健仁の浦和レッズ解体信書 連載19

信藤健仁の浦和レッズ解体信書 連載19

構成●編集部
写真●兼子愼一郎

「浦和レッズマガジン11月号(10月12日発売)より」

 リーグ優勝への行方を大きく左右する名古屋との大一番で、レッズの底力が発揮された。過密日程の中の試合でも簡単に負けない強さこそがレッズのみが持つストロングポイントなのである。


レッズの最大の強みは選手たちの強固な精神力

 9月13日のリーグ第24節大分戦からACL準決勝第1戦まで約3週間で8試合。中2日、中3日での試合が続き、レッズの選手たちの疲労はピークに達していることだろう。試合→移動→練習→試合という流れが短期間で繰り返される中、疲労回復や体調管理に努めるだけでなく、試合への緊張感を維持する必要もある。ともすれば、簡単に気が緩んでしまいそうな状況下で行われた名古屋との上位決戦を戦い抜き、勝ち点1を得たレッズの選手たちからは精神的な強さが感じられた。このメンタル面の強さこそレッズの底力だと言えるだろう。

 1−1のドロー。「勝てなかった」という見方もあるだろうが、強行日程の中で行われた大一番で負けない戦いを見せたレッズの選手たちには本当に頭が下がる思いだ。4日前にはアジア制覇への重要な一戦であるACL準々決勝第2戦を戦っている。負けが許されない緊迫した試合が続く中で、緊張感を長期間保つことは容易ではない。だが、昨年も同様の強行軍を戦った経験に加え、「簡単に負けられない」という思いでレッズの選手たちが発揮した《ウイニングメンタリティー》があったからこそ貴重な勝ち点1を得られたのだ。

 試合では二つの注目すべきポイントがあった。まず一つ目は、名古屋がリーグ戦で今季初めて巻佑樹を先発起用したことである。ヨンセンのポストプレーを起点にしたサイドアタックを攻撃の柱にしている名古屋は、レッズの守備力を警戒したのだろう。巻の先発起用には前線でターゲットとなる人数を増やし、レッズ守備陣に的を絞らせないという思惑があったように思う。だが、47分の失点を除けば、田中マルクス闘莉王を中心としたレッズの守備陣は名古屋の攻撃をほぼ完璧に封じ込んだ。

 そして二つ目はサイドでの攻防である。今季、ナビスコカップを含め名古屋に3戦全敗を喫しているレッズは、いずれの試合でも相手のサイドアタックに苦しめられていた。レッズの3−5−2に対し、名古屋は中盤をフラットにした4−4−2。システム上、サイドの攻防では常にレッズが数的不利を強いられる。しかし、この試合ではレッズの両サイド、平川忠亮と相馬崇人が的確なポジショニングでサイド攻撃を封じるだけでなく、機を見て攻撃に顔を出した。

 これら二つの要因があったからこそ、レッズは疲労困ぱいの中でも引き分けに持ち込めたのだ。
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