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住民のエゴか? 伐るか、残すか、どちらを味方する?(下)

2008年11月13日14時40分 / 提供:PJ

pj
住民のエゴか? 伐るか、残すか、どちらを味方する?(下)
『この「樹木」は車両や歩行者の通行時に支障になる怖れがある』とはとても考えられない。(撮影:穂高健一、11日、東京・葛飾) 写真一覧(3件)
(上)からのつづき。東京・葛飾を流れる一級河川・中川の草土手は、戦前、前後を通して、桜の並木で有名だった。住民は桜のみならず、自然の草花の鑑賞や摘み草を楽しんできた。

 30年ほど前に、行政や偉い学者が水害対策という大儀で、桜の木をほとんど伐採し、現在のコンクリート護岸になった。最近になって、この護岸が大水害に耐えなれないという。これらを取り壊し、スーパー堤防に切り替える方向にある。大水害に耐えられない堤防なら、はじめから桜堤を残してくれた方がよかったのに、という住民もいる。

 いずれ壊すコンクリート護岸堤防なら、住民がサツキ花壇の一部を利用して、四季の草花を植えて楽しんでも支障はないだろう、という素朴な意見もある。この点についても、葛飾区公園課の公園管理所に聞いてみた。行政としては費用面からも、四季折々に咲く花壇を作れない。地域の住人が自ら育てた花を鑑賞し、楽しんでいるのも事実。だから、目くじらを立てる気はない口ぶりだった。ある意味で、暗黙の了解だと、解釈できた。

 奥戸橋に近い私的な植栽の一部、柿、ビワの木、ダツラの花に、伐採予告の短冊が取り付けられた。「急に、なぜ?」という疑問が住民にある。

 人間の考えはさまざまだ。法の建前から、「護岸の花壇は公のものだ。身勝手に花を植えているのは、法違反だ。わが国は法治国家だ、けしからん。すぐ撤去すべきだ」と行政にけしかけたのか。それだと、伐採は広範囲になるはずだ。この点はちがうと思う。

 秋になると津々浦々で、落ち葉の苦情が多発する。問題の短冊の取り付けが、10月半ばの時期から推測すると、『この「樹木」は車両や歩行者の通行時に支障になる恐れがある』というのは表向き。伐採を申し出た住民は、護岸の花壇から落ち葉が川風に吹かれて舞い上がり、自宅まで飛んできて、掃除も大変。わが家の敷地が汚されるから、不愉快だ。区役所が切ってほしい、というのが本音ではないだろうか。

 柿、ビワの木、ダツラの花や葉っぱの落ち葉を理由にすれば、苦情を申し出た家が特定される。『通行の邪魔になる』と婉曲(えんきょく)にいったのか。

 柿やビワの木の持ち主は誰か。花壇の手入れや実の収穫から、その顔もわかっているはずだ。少なくとも、同所に伐採を申し立てた人も、近隣の顔だと知っているはずだ。住人どうしの話し合いを持たず、「区が切るべきだ」と行政に解決を持ち込んだのだろう。

 同事務所はいかに処するのか。「持ち主の方が電話をかけてこられたら、伐採の要請でなく、管理をしっかりしてください、とまず話し合いたい」という。どんな管理なのか。「花びらや葉っぱが散っても、放置では困ります。きめ細かな管理をしっかりやってほしいのです」と話す。

 柿やビワの木の持ち主は心のどこかに、区の了解も取らず、勝手に花壇を使っている、不法な植木だという意識があるはずだ。『私が持ち主です』とは行政に言いづらい面があると思う。反面、生育した木々が切られて口惜(くや)しいが、公的な花壇だからと、あきらめているだろう。

 護岸道路を行き交う住人の多くは、『落ち葉など、通行の邪魔ではない、育った木を伐ることはない』と思っている。それでいて、伐採反対運動をするほどの熱意はないのだ。
 伐採予告の短冊にたいする異議や反論が出なければ、行政は『住民は伐採を是認した』と判断するかもしれない。

 柿やビワの木にすれば、生命の境目だ。切られてしまうのか、切られずに生き永らえるのか。判断するのは行政か、住民か。【了】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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PJ  大水  水害  
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