いつも「笑顔」は逆効果。 むしろ「無表情」に徹する【悪魔の対話術】
相手の考えは、何でもお見通しだという素振りを身につけよう。
圧倒的な威厳を感じさせよう。
「こういう人物には、小手先の方法は使ってもダメだ」とか、「隠し事をしても見抜かれるだろう」と相手に諦めさせるからこそ、相手もホンネを語ってくれるのである。私たちは、実力差のある相手とは、そもそも競おうと大それたことは考えないものだからだ。
いうなれば、「手ごわい人物である」という評判が高まるほど、あなたにウソをつく人は少なくなっていく。
たとえば、商談相手に先方の担当者でなく、御用聞きのような若者がやってくることがある。そんなとき、私たちは、その若者に本当の要求や希望を明らかにするよりは、大きな依頼をしたり、信じられない追加要求を出したりして、その人物を騙そうとか、困らせてやろうとするのではなかろうか。
「こいつにホンネを明かしても、最終決定権はこいつの上司にあるだろうから、どうせムダだな」と思うものだし、「こんな若造なら、自分のいいように引き回せるだろう」という打算が働くためである。
こんなときは、怖い人だと思われることをためらってはいけない。下手に出れば出るほど、相手はつけあがっていくのだから、そうさせないことが重要だ。
そのために必要なのは、「笑顔を見せずに、何を考えているか読ませないようなポーカーフェイス」に徹することである。
能面のような無表情は、何を考えているのか相手に読ませないので、不気味な雰囲気を漂わせる。始終ニコニコとしていると、とりわけ年齢が若い人などは、いいように相手の言い分を飲まされてしまうのがオチだ。
「○○さんも、つきあいが長いんだから、今回はこれくらいの条件で泣いてくださいよ」
と相手の担当者が調子のいい事を言ってきても、「いやぁ、まいったなぁ〜」などと笑顔を見せて微笑んではいけない。こんなときは、何かを考え込むようなしぐさで黙り込んでしまい、笑顔など見せてはいけないのだ。
ある意味では、怒っているようにも見えるポーカーフェイスに徹すれば、相手も無理な注文を引っ込めてくれるはずだ。そして、ホンネを見せてくれる。というのも、あなたが不気味で怖いからである。
ニューヨークにあるヴァサー・カレッジで心理学を教えるアミー・ハルバースタット博士は同僚と一緒に実験を行ない、笑顔を見せれば見せるほど、それだけ「弱い人間」だと評価されることを確認している。
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