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結婚しても「恋」がしたい!【独女通信】

結婚しても「恋」がしたい!【独女通信】
「今度合コンに行きたいんだけど、予定はないの?」と、友人の啓子さん(36歳)から連絡を受けた百合(35歳)さんは驚いた。なぜなら啓子さんは、小学生の娘がいる立派な既婚女性。そこで、今さら合コンで何を求めているのかと問うと、彼女は「もう一度恋がしてみたい」と真剣に訴えたのだそうだ。

 啓子さんは結婚10年目。家計を支えるためにパートで働く真面目な女性で、かつて浮気をした経験もない。そんな彼女が、なぜ突然「女」に目覚めてしまったのだろうか? 啓子さんを直撃し、その心情を打ち明けてもらった。

「結婚して2年目に娘が生まれて、それからはずっと育児に追われていました。だけど子供が小学生にあがって、最近やっと自分の時間が持てるようになった。昔のように、ファッション雑誌を読んで、おしゃれをする余裕も出てきたんです。ところが、いくらキレイにしても誰も褒めてくれない。30代も後半になって、自分を磨けるチャンスも残りわずかなのかもしれないのに、このまま、誰にも見てもらえずにオバチャンになるのかと思うと、“女としての自分”がかわいそうになってきたんです。もう一度、誰かのためにキレイになるのを楽しみたい。それって悪いことなのでしょうか?」

 啓子さんの夫は30代で働き盛り。妻を振り返る余裕もなく、また啓子さんもそんな夫に対して恋心を抱くことはまったくないという。

「交際期間を入れれば、15年も一緒にいますから。夫は家族を構成するチームメイトといった関係で、ときめくことはありません。離婚するほど嫌いではないし情もあるけど、愛だけがない(苦笑)。セックスも面倒なので、家計に負担をかけない程度に外で発散してくれればとも思います。もちろんそんなこと、本人には言えませんが……」。

 とはいえ、家庭を壊してまでどっぷり不倫にはまりたいというわけではないと、啓子さん。いっときの出会いを楽しんで、心に潤いが欲しいだけだという。

「自分に賞味期限のあるうちに、恋愛手前のときめきを楽しみたい。だから身軽で自由なシングルの女性が心底うらやましいですよ」

 恋愛体験を求めるあまり、10歳年下の男性と関係を持ってしまったというのは、同じく小学生2人の子供を持つ弥生さん(38歳)。相手は、職場で知り合った取引先の独身男性だ。

「彼は女性経験が豊富。女の扱いが上手で、聞かれるままに携帯のメールアドレスを教えたら、頻繁にメールをくれるようになりました。そのうちに私のほうも、彼からのメールを待つのが楽しくなって、生活にハリが出たんです。イケないことだし、もて遊ばれているのも頭ではわかっていました。だけど、今のチャンスを逃したら、蜜の味を再び味わうことなく一生が終わるかもしれない。マンネリ化した夫の関係と、老いの恐怖もあって、ずるずる連絡はとりあっていましたね」

 年下の彼とホテルへと行ったのは、メール交換を始めてから半年後。仕事の都合上、日曜の昼間という時間帯だったが「友達とランチに行く」と言えば、夫はまったく疑わなかった。

「彼には同棲中の彼女がいるから、後腐れのない私を選んだのでしょう。そして予想通りだけど、彼はそれ以降、ぱったりメールを寄越さなくなりました。おかげで私の家庭も平穏無事のままですが、彼を好きだったことは事実なので、ずいぶん傷つきましたよ。きっとまたチャンスがあったら、同じことをしてしまうかもしれません。だって夫との恋愛は今後、絶対にあり得ないけど、離婚するほど嫌いでもない。かと言って、まったくときめきのない生活は退屈すぎます。結婚すれば恋愛面は満たされると思っていたけど、むしろ、がんじがらめになるばかりでした」

 弥生さんは、自らを「恋愛ジャンキー」と称して笑った。

「自宅から半径1km以内で、何年も同じ生活を繰り返していると、誰だって自分の居場所を探し求めたくなる。ある主婦は教育に情熱を燃やしてお受験をさせたりするだろうし、また別の主婦はスポーツなど趣味に没頭したりするのでしょう。自分を着飾って、プチセレブな友人と張り合うのも居場所のひとつなのかもしれない。私の場合、褒められたもんじゃないけど、それが恋愛だった。それだけのことです」

 封印された「恋愛願望」に苦しむ既婚女性たちを笑うのは容易い。しかし、何十年も恋愛関係を持ち続けられる夫婦はむしろ稀。平和に恋愛願望を発散する手立てとして、アイドルを追いかける主婦も少なくない。現実の男性にときめくために合コンにいくのか、一方的な愛を叫びにアイドルコンサートに行くのか、実は紙一重だったりもする。

 安野モヨコの傑作『ハッピーマニア』では、ウエディングドレス姿の主人公が「彼氏が欲しい」とつぶやくシーンが印象的だったが、これに共感する女性は、「恋愛ジャンキー」の気質があるのかもしれない。ある種の女たちにとって、恋の道に終わりはないのだ。(中沢夕美恵)
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