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食の神話は崩れた? 都市農家よ、農産高校よ、がんばれ(中)

2008年11月03日07時55分 / 提供:PJ

pj
食の神話は崩れた? 都市農家よ、農産高校よ、がんばれ(中)
東京都立農産高校の生徒たちが、ジャムや植木鉢の販売をする。買う人から生徒に熱いエールがあった。(撮影:穂高健一、26日、東京・葛飾)
(上)からのつづき。わが国は高度成長期から、一貫して工業化が推し進められてきた。結果として、都市部に人口が集中し、都市野菜の耕作地はかぎりなく狭められた。同時に、食料自給率が下がった。

 それでも貿易収支の黒字を背景にして、食料は輸入でまかなえてきた。全人口をあらかた補っても、なおかつ飽和状態だ。見た目ばかりがきれいな輸入野菜が店頭に多くならぶ。賞味期限(おいしく食べられる期日)がわずか1日過ぎれば、それだけで廃棄してしまう。過度に贅沢(ぜいたく)な食糧に慣れきってしまった。こんな浪費構図の食糧事情がいつまでも維持できるはずがない。

 今年に入って貿易収支が大幅な源となってきた。なおかつアメリカ発の大恐慌の怖(おそ)れすらある。貿易収支はやがて赤字に転落し、円通貨の値打ちが下落し、日本経済は張り子のトラになるかもしれない。

 今回の金融危機は乗り切れても、長いレンジからみれば、わが国は少子化で働き手が大幅に減少していく。労働力がなければ、経済力が弱まる。となると、海外から食べ物が買えない、食糧不足の国に陥ってしまうかもしれない。

 これら将来の不安を見据えたならば、農作物の国内自給率のアップは不可欠だ。そのためには農業従事者を増やす必要がある。同時に、人材育成、学校教育の充実を図らなければならない。

 第24回『葛飾区産業フェア、農業・伝統産業展』の会場では、東京都立農産高校(葛飾・西亀有)の生徒たちが、制服姿で自分たちの作ったジャムや植木鉢の販売準備をしていた。

 同校には園芸デザイン科、食品科がある。将来の農業、食品製造の担い手になる人材を育成する、60年の伝統ある高校だ。同校は「食と緑の学園」として、隣接する3つの農場でトマト、大根、ダイズなどの栽培実習をおこなう。

 同展の会場入り口には、主婦層を中心とした長い列ができていた。先頭は約一時間前から並ぶ。目的は高校生たちの即売会だ。高校生たちの午前中の販売は、ジャムが2種類で約200個。午後は鉢物と切り花が4種類、約200本だ。列が動きはじめた。買い求める多くが暖かい眼(まな)差しで、生徒たちに「がんばってね」「毎年、楽しみよ」と一言、ふたこと声をかけている。

 ジャム一個200円を買うために、一時間も前からならぶ。それは『安価で、手作り』もあるが、農業を目指す高校生たちの努力、熱意にたいして、声をかけてあげたい、熱いエールを送りたいという想(おも)いからだろう。

 同校食品科の藤森先生から話を聞いた。「ジャムを作ることは、ゲル化作用の勉強が目的です。酸味、ペクチン、糖、という三つの要素のバランスで作ります。生徒たちは植物ペクチン(多糖類)を学ぶ。そして、作る。自分たちの手で売る。こうした一連の流れが学べます。ありがたい機会だと思っています」と話す。

 ジャムは園芸加工部と農業クラブの合作だという。生徒たちはジャムを一つずつ手渡しにする。その都度、「ありがとうございます」と大きな声を張り上げていた。【つづく】


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記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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神話  少子化  農業  金融危機  
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