女性
携帯電話の普及が独女を増やしたという説【独女通信】
2008年11月08日14時00分 / 提供:独女通信
ほんの十年前まで電話といえば家の固定電話か公衆電話だったが、今や小学生でもケータイを持っている。友人との待ち合わせやデ―トには無論、電車の待ち時間にせっせと親指を動かす独女も多い。ケータイは今や独女たちにとってなくてはならない生活必需品だ。
デ―トの日にケータイを会社に置き忘れ、彼と大ゲンカをしたというのは会社員の百合さん(29歳・会社員)。
「仕事が長引いて、慌てて会社を出たんです。途中で会社に携帯を忘れたことに気づいたんですけど、引き返したら更に遅れるし、彼に連絡をとりたくても彼の電話番号がわからないんですよ」
百合さんの彼は駅の雑踏で待つこと30分。百合さんのケータイに電話をしても繋がらず、彼は怒り心頭で、「俺の電話番号くらい暗記しろ」「だったらあなたは私の携帯番号言えるの? 」と売り言葉に買い言葉。たかが30分くらいで怒る彼の気の短さに腹がたったという。
ケータイの普及で私たちは待つことをしなくなった。来ない相手にやきもきしながら、相手の身を案じたり心配したりする必要もなくなったが、同時に来ない相手のことを思考することもなくなった。
百合さんの彼を援護するつもりはないが、駅の雑踏で30分間、彼は百合さんのことだけを考えて待っていたはずだ。もしかしたら事故にあったのではないか。病気になったのではないか。百合さんのことを心配していたからこそ、怒り心頭だったのだろう。
待つことは相手のことを一途に思うことであり、これこそが恋愛にとって大切な時間だったのではないだろうか。
昭和28年に放送された「君の名は」という人気ラジオドラマがある。東京大空襲の夜、数寄屋橋の上で互いに命を助け合った若い男女が、名を名乗らないまま、互いに生きていたら半年後、それがだめならまた半年後にこの橋で会おうと約束するが、会いたくても会えない状況が繰り返される。ケータイがあればこんな恋愛はまずありえないが、日本中の女性たちが二人の恋の行方に固唾を飲んだのは、二人が運命の渦に巻き込まれ、会いたくても会えなかったからだ。
会いたければ会えるまで待つしかなかった時代、ただひたすら思う人と会える日を待つ。この状況が続けば、諦めない限り、相手に対する思いは深まるはずだ。会えなかったからこそ会った時の胸の高鳴りは大きい。待っていたからこそ会った瞬間、もう離れたくない。ずっと一緒にいたいと願う。
古き時代、恋人たちはこんなふうに結婚を決意していたのではないだろうか。
今や声が聞きたければすぐにケータイで声が聞ける。思いのたけをメールで送ればすぐに相手に心は届く。明日まで待つ必要もなくなったのだが、ケータイのなかった時代、今度、会ったら何を話そうか。今頃あの人は何をしているのだろう。少なくとも脳や精神をフル活用して恋愛をしていたはずだ。
待つことをしなくなったことで恋愛下手となり、結婚まで至る恋愛ができなくなった。ゆえに独女が増えたというのはあまりに極論だろうか。
だったらケータイを持たなければ結婚できるのか?
いや、ケータイは必要だし、今後益々私たちの生活に入り込んでくるだろう。うまく活用すればいいのだが、何でもかんでもケータイに頼るのではなく、彼の電話番号くらい暗記して、ケータイがあるからと安心しないで、待ち合わせには遅れないように。些細なことでも相手を思いやる気持ちが、二人の間を一歩結婚に近づかせる道になるのではないだろうか。ケータイはあくまでツールであり、心まで支配されてはいけない。(オフィスエムツー/佐枝せつこ)
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<マンガ>独女通信の書籍作りの裏側を見てきました - 書籍制作の裏話レポート
デ―トの日にケータイを会社に置き忘れ、彼と大ゲンカをしたというのは会社員の百合さん(29歳・会社員)。
「仕事が長引いて、慌てて会社を出たんです。途中で会社に携帯を忘れたことに気づいたんですけど、引き返したら更に遅れるし、彼に連絡をとりたくても彼の電話番号がわからないんですよ」
百合さんの彼は駅の雑踏で待つこと30分。百合さんのケータイに電話をしても繋がらず、彼は怒り心頭で、「俺の電話番号くらい暗記しろ」「だったらあなたは私の携帯番号言えるの? 」と売り言葉に買い言葉。たかが30分くらいで怒る彼の気の短さに腹がたったという。
ケータイの普及で私たちは待つことをしなくなった。来ない相手にやきもきしながら、相手の身を案じたり心配したりする必要もなくなったが、同時に来ない相手のことを思考することもなくなった。
百合さんの彼を援護するつもりはないが、駅の雑踏で30分間、彼は百合さんのことだけを考えて待っていたはずだ。もしかしたら事故にあったのではないか。病気になったのではないか。百合さんのことを心配していたからこそ、怒り心頭だったのだろう。
待つことは相手のことを一途に思うことであり、これこそが恋愛にとって大切な時間だったのではないだろうか。
昭和28年に放送された「君の名は」という人気ラジオドラマがある。東京大空襲の夜、数寄屋橋の上で互いに命を助け合った若い男女が、名を名乗らないまま、互いに生きていたら半年後、それがだめならまた半年後にこの橋で会おうと約束するが、会いたくても会えない状況が繰り返される。ケータイがあればこんな恋愛はまずありえないが、日本中の女性たちが二人の恋の行方に固唾を飲んだのは、二人が運命の渦に巻き込まれ、会いたくても会えなかったからだ。
会いたければ会えるまで待つしかなかった時代、ただひたすら思う人と会える日を待つ。この状況が続けば、諦めない限り、相手に対する思いは深まるはずだ。会えなかったからこそ会った時の胸の高鳴りは大きい。待っていたからこそ会った瞬間、もう離れたくない。ずっと一緒にいたいと願う。
古き時代、恋人たちはこんなふうに結婚を決意していたのではないだろうか。
今や声が聞きたければすぐにケータイで声が聞ける。思いのたけをメールで送ればすぐに相手に心は届く。明日まで待つ必要もなくなったのだが、ケータイのなかった時代、今度、会ったら何を話そうか。今頃あの人は何をしているのだろう。少なくとも脳や精神をフル活用して恋愛をしていたはずだ。
待つことをしなくなったことで恋愛下手となり、結婚まで至る恋愛ができなくなった。ゆえに独女が増えたというのはあまりに極論だろうか。
だったらケータイを持たなければ結婚できるのか?
いや、ケータイは必要だし、今後益々私たちの生活に入り込んでくるだろう。うまく活用すればいいのだが、何でもかんでもケータイに頼るのではなく、彼の電話番号くらい暗記して、ケータイがあるからと安心しないで、待ち合わせには遅れないように。些細なことでも相手を思いやる気持ちが、二人の間を一歩結婚に近づかせる道になるのではないだろうか。ケータイはあくまでツールであり、心まで支配されてはいけない。(オフィスエムツー/佐枝せつこ)
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