突然の激痛(上)=初めて救急車を要請。
2008年11月02日08時10分 / 提供:PJ
“痛い”と目が覚めたのが午前4時。右手の甲と手首が痛い。身体を少しでも動かすと激痛が走る。起きようとして、右手に少しでも寝具が触ると痛い。指先と肘(ひじ)は痛くないが、起きられない。何回も試したが、普通に手をつき起きる事が痛くて、できない。どうにかうつぶせになれたので、左手と、両足を使い、右手を浮かせシャクトリムシのように腰からゆっくりと起き上がった。立ち上がってみると、全身がフラフラ状態である。最低限の用を済ませ、また、横になろうとした。そーっと腰をおろし、左手をつきながら横になろうとしたが、右手に少しでも触れると激痛が走る。横になるだけでも時間がかかる。
午前10時近くになって、とうとう病院へ行く事にした。休日であり、どこに行っていいのか分からないのとあまりの激痛に救急車を要請することにした。119番にかける前に、長時間かかって、身支度し、ゆっくりと、持って行くバッグや家の鍵を並べる。やっとの思いで、119番に電話をした。問われて、住所は言えたのだが、細かい場所の説明ができない。激痛で考えがまとまらない。自宅付近の地図を書いて、電話の近くに貼っておくほうがいいと初めて気づいた。要請した後は、マンションのオートロックの解除のため、モニター近くの柱にもたれていた。痛いからと横になったら、すぐ起きるのが困難な状況だった。
救急車が来て、マンションのオートロックは解除できたが、モニターから4m位先の自宅のドアに出るのにも時間がかかる状態である。右手は激痛のため、左手で鍵を閉めようとしたが、閉められず、救急隊員の方に閉めてもらう。救急車までの数歩を歩くことも困難で、「ストレッチャーに乗りますか」と問われ、即「乗ります。」ストレッチャーに手助けされながら乗った。激痛に気をとられ、救急車にいつ乗ったかわからないほど、ストレチャーは、静かななめらかな動きだった。
救急車内で、受け入れ先の病院を探してくれ、「○○病院に行きます」と告げられる。救急車は、いつ動き出したのかわからないほど振動がない。不安を感じさせない、とても丁寧な運転だ。救急車は普通に道路を走っている時は、振動がまったくない。段差のある場所に差し掛かると、「段差があります」と教えてくれる。段差の所で、スピードを緩めてくれても、ガタンとすると、右手に激痛が走る。「緊急車両が通ります」の声に交差点に差し掛かかっているのがわかる。車で走っていると、救急車などの緊急車両のため、道をあけることがあるが、今は筆者の乗った救急車のために、皆さんが道をあけてくれていると、ありがたく思った。そのような状況の中、休日の救急診療を受け入れてくれた、2駅先の総合病院に連れて行ってもらう。
「たぶん、腱鞘炎でしょう。パソコン禁止」と医師からの厳しい言葉。「はい、起きて」と言われても、ストレチャーから移された、診療用ベッドから痛くて起きられない。いきなり、無表情の看護士さんが無言でベッドの左側のレバーを押した。ガンッと、ベッドが動き、私の身体は、ピョンという感じで起きた。「アッ、起きられた」右手が痛く、ベッドから起きられずもがいていたのがウソのようだ。ベッドはゆっくり起き上がるのかと思っていたが、速いスピードに驚いた。テレビで電動ベッドを宣伝しているが、確かに1人で起きにくい人が、補助の人がいなくても、起きられる。このように使うのかと納得した。
激痛でいつ救急隊員の方が引き上げられたかわからなく、お礼を申し上げられなかった。処方された痛み止めの薬を飲み、シップを貼(は)ると、激痛が少なくなってきた。
今、いろいろな理由での救急車の要請があるとテレビなどで取り上げられている。救急車で運ばれ、入院すれば“重症”、そのまま帰宅できれば“軽症”と言うそうだ。“軽症”で救急車の要請は救急車をタクシー代わりに使っているとの批判がある。今回の私の場合、治療してもらった後は、帰宅したので、“軽症”の部類に入る。「腱鞘炎位で救急車の要請とは」と批判する人もいた。しかし、激痛で動くのがやっとの状態でタクシーに病院に連れて行ってもらうのは無理だった。“重症”か“軽症”の判断するのは難しい。
後日の血液検査の結果から“偽痛風”と病名を告げられる。「腱鞘炎ではありません。偽痛風です」と薬を4種類処方された。2回目の血液検査では、数値はどの項目もほぼ正常。ただ、咳(せき)がひどく出るようになり、その旨告げると、薬は5種類になった。激痛ではなくなったものの、右手の人さし指、中指、薬指は動かず、甲と手首は腫れ、右手を下に向けられない。外科の医師は「ああ固まってしまいましたね。注射をしましょう」と痛い右手の甲に太い注射をした。“直るなら”と痛みを我慢したが、右手に変化はなし。処方された薬も完ぺきに全部飲むが、固まった右手に変化はなし。
見かねて知り合いがお灸(きゅう)の先生を紹介してくれる。お灸は初めてだが、終わった時、動かなかった人さし指、中指、薬指が自由に動くようになった。お灸の方の見立てでは、「前に転んだことがあるはず。その時右手を突いている。その古傷が何かの拍子で痛み出した」との事。
同じ症状でも、いろいろな見立てがあると感心した。【つづく】
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午前10時近くになって、とうとう病院へ行く事にした。休日であり、どこに行っていいのか分からないのとあまりの激痛に救急車を要請することにした。119番にかける前に、長時間かかって、身支度し、ゆっくりと、持って行くバッグや家の鍵を並べる。やっとの思いで、119番に電話をした。問われて、住所は言えたのだが、細かい場所の説明ができない。激痛で考えがまとまらない。自宅付近の地図を書いて、電話の近くに貼っておくほうがいいと初めて気づいた。要請した後は、マンションのオートロックの解除のため、モニター近くの柱にもたれていた。痛いからと横になったら、すぐ起きるのが困難な状況だった。
救急車が来て、マンションのオートロックは解除できたが、モニターから4m位先の自宅のドアに出るのにも時間がかかる状態である。右手は激痛のため、左手で鍵を閉めようとしたが、閉められず、救急隊員の方に閉めてもらう。救急車までの数歩を歩くことも困難で、「ストレッチャーに乗りますか」と問われ、即「乗ります。」ストレッチャーに手助けされながら乗った。激痛に気をとられ、救急車にいつ乗ったかわからないほど、ストレチャーは、静かななめらかな動きだった。
救急車内で、受け入れ先の病院を探してくれ、「○○病院に行きます」と告げられる。救急車は、いつ動き出したのかわからないほど振動がない。不安を感じさせない、とても丁寧な運転だ。救急車は普通に道路を走っている時は、振動がまったくない。段差のある場所に差し掛かると、「段差があります」と教えてくれる。段差の所で、スピードを緩めてくれても、ガタンとすると、右手に激痛が走る。「緊急車両が通ります」の声に交差点に差し掛かかっているのがわかる。車で走っていると、救急車などの緊急車両のため、道をあけることがあるが、今は筆者の乗った救急車のために、皆さんが道をあけてくれていると、ありがたく思った。そのような状況の中、休日の救急診療を受け入れてくれた、2駅先の総合病院に連れて行ってもらう。
「たぶん、腱鞘炎でしょう。パソコン禁止」と医師からの厳しい言葉。「はい、起きて」と言われても、ストレチャーから移された、診療用ベッドから痛くて起きられない。いきなり、無表情の看護士さんが無言でベッドの左側のレバーを押した。ガンッと、ベッドが動き、私の身体は、ピョンという感じで起きた。「アッ、起きられた」右手が痛く、ベッドから起きられずもがいていたのがウソのようだ。ベッドはゆっくり起き上がるのかと思っていたが、速いスピードに驚いた。テレビで電動ベッドを宣伝しているが、確かに1人で起きにくい人が、補助の人がいなくても、起きられる。このように使うのかと納得した。
激痛でいつ救急隊員の方が引き上げられたかわからなく、お礼を申し上げられなかった。処方された痛み止めの薬を飲み、シップを貼(は)ると、激痛が少なくなってきた。
今、いろいろな理由での救急車の要請があるとテレビなどで取り上げられている。救急車で運ばれ、入院すれば“重症”、そのまま帰宅できれば“軽症”と言うそうだ。“軽症”で救急車の要請は救急車をタクシー代わりに使っているとの批判がある。今回の私の場合、治療してもらった後は、帰宅したので、“軽症”の部類に入る。「腱鞘炎位で救急車の要請とは」と批判する人もいた。しかし、激痛で動くのがやっとの状態でタクシーに病院に連れて行ってもらうのは無理だった。“重症”か“軽症”の判断するのは難しい。
後日の血液検査の結果から“偽痛風”と病名を告げられる。「腱鞘炎ではありません。偽痛風です」と薬を4種類処方された。2回目の血液検査では、数値はどの項目もほぼ正常。ただ、咳(せき)がひどく出るようになり、その旨告げると、薬は5種類になった。激痛ではなくなったものの、右手の人さし指、中指、薬指は動かず、甲と手首は腫れ、右手を下に向けられない。外科の医師は「ああ固まってしまいましたね。注射をしましょう」と痛い右手の甲に太い注射をした。“直るなら”と痛みを我慢したが、右手に変化はなし。処方された薬も完ぺきに全部飲むが、固まった右手に変化はなし。
見かねて知り合いがお灸(きゅう)の先生を紹介してくれる。お灸は初めてだが、終わった時、動かなかった人さし指、中指、薬指が自由に動くようになった。お灸の方の見立てでは、「前に転んだことがあるはず。その時右手を突いている。その古傷が何かの拍子で痛み出した」との事。
同じ症状でも、いろいろな見立てがあると感心した。【つづく】
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パブリック・ジャーナリスト 常陸 薫
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