今話題騒然のアニメ「天体戦士サンレッド」をご存知だろうか。原作はヤングガンガン(スクウェア・エニックス)で連載されている同名の漫画で、現在は7巻まで発売されている。アニメは10月から始まったばかりで、テレビ神奈川でのみ放送されている超ローカル作品にもかかわらず、噂が噂を呼んで人気が高まっているのだ。内容はタイトルから想像できるように、正義のヒーローが悪の組織と戦うヒーロー物なのだが……。

 舞台は川崎。正義のヒーロー「天体戦士サンレッド」が、地球制服を企む悪の組織「フロシャイム」の怪人たちと激闘を繰り広げる。という骨子があるにはあるが、なにもかもが、ゆるい。

 ヒーロー物といえば、?怪人暴れる→?ヒーロー現場へ→?戦う→?ヒーローピンチ→?必殺技→?ヒーロー勝利、というお約束の流れで構成されている。しかしこの作品では、まず??がない。怪人は一般人にはまったく手を出さずに、直接レッドを呼び出して?に突入。その後は?も?もなくあっさりと?だ。そして、普通のヒーロー物にはない?ヒーローが怪人に説教、が存在する。説教の内容は、どうせ負けるんだから勝負を挑んでくるなといったことであったり、フロシャイムが悪の組織としていかになっていないかということであったりする。

 それでも連載が始まったばかりの頃は一応、戦うシーンも多かったが、最近ではそれすら珍しくなってきている。長い年月を共に過ごすうちにレッドとフロシャイムの間にはご近所感のようなものが生まれていて(実際に彼らは同じ地区に住んでいる)、レッドがフロシャイムのアジトのブレーカーを直したり、フロシャイム川崎支部の幹部である「ヴァンプ将軍」がレッドの恋人におでんの作り方を教えたりしているのだ。ゆるさもここに極まれり。

 そのゆるさを凝縮した存在が、ヴァンプ。仮にも悪の組織の幹部でありながらいつも料理のことばかり考えている。エコにも関心があるようで、その姿はまさに“カリスマ主夫”の称号がふさわしい。それでいて怪人たちや戦闘員からも好かれていて、理想の上司との呼び声も高いのだ。さらには天敵であるはずのレッドのことを『レッドさん』と呼び、その恋人である「かよ子」とは携帯番号を交換するほど親交が深い。レッドやかよ子のことを本気で心配する様は、近所の親切なおばさんのようだ。そんな面倒見のいい優しい性格は、悪の組織の幹部としては似つかわしいものではなく、数々の笑いを生み出す。

 作品の主人公であり、かつ世間的にもヒーローであるレッドはかよ子と一緒に暮らしている。が、稼ぐのはもっぱら保険外交員であるかよ子の方で、自分はパチンコ三昧だ。要するに、正義のヒーローのくせにヒモなのである。レッドのヒーローらしからぬ言動はこれだけではない。フロシャイムの怪人と戦う時は、着用している戦闘服はマスク部分のみ。他はスウェットにサンダルといった、まるで近所のコンビニに出かけるがごとくのリラックススタイルで戦いに臨む。態度は粗暴かつ横暴。しかし優しいところもあり、ヴァンプが困っていると手を差し伸べることもある。ヴァンプもヴァンプならレッドもレッド、というわけだ。

 レッドがなぜ、いつからヒーローであるかなどは明かされていないが、当たり前のようにヒーローとして存在している。かよ子も、その友達もレッドがヒーローであることを認識しているのだ。同様に、怪人もこの世界では珍しくはない存在となっている。フロシャイムの怪人たちもファーストフードやコンビニでアルバイトをしているが、それを疑問に思う一般人はいない。ゆるい世界観の中、ゆるい怪人たちがゆるいヒーローに戦いを挑む姿は、冷めかけのおじやのように心地いい。ギャグにありがちな下品な要素もなく、誰も傷つかない。老若男女すべてにおすすめできる作品だ。

 神奈川テレビが映らない地域のお住まいの方も安心してほしい。ニコニコ動画内のニコニコアニメチャンネルで公式配信されているし、11月からはキッズステーションで放送されることが決定している。原作漫画でこの作品に触れるのもいいだろう。サンレッドに関しては、漫画とアニメ、どちらが先でも違和感なく楽しめると思う。

(編集部 三浦ヨーコ)


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