キレのあるボールを放つ寺地

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<全日本テニス>
8日目/21日/東京・有明テニスの森公園/男子シングルス決勝/5セットマッチ

 大会最終日、天候にも恵まれ有明テニスの森公園のセンターコートにはまぶしいほどの日差しが注がれる。そんな中、光り輝く二人の選手が全日本選手権のタイトルをかけて戦う。

 ここまで、全てストレートで勝ち進み、無難に駒を進めてきた01年の全日本選手権・王者、寺地貴弘。昨日、決勝進出を決めた後の会見では「決勝戦を想定してプレーした。」との余裕を見せ、「決勝戦はじっくり攻めたい。二回タイトルをとって、まぐれではなかったというところを見せたい」と決勝にかける想いを語った。

 一方、權亨胎(クォン・ヒョンテ)は、現役大学生(近畿大・2年)。ここまでノーシードながら、第一シードの岩渕聡や松井俊英といった数多くの強豪を倒し、頭角を現した。目標をベスト4としていた權は「ここまでこれるとは思っていなかった。自分の持っている力を全て出しきったらいいと思う」と話した。

 第一セットから予想通り、ベースラインでのプレーを得意とする両者は、壮絶なストローク合戦を繰り広げる。少しでも甘く入ってきたボールは見逃さず、ベースラインでネットプレーにつなげる展開を作るスタイルは寺地も權も同じである。その互角の戦いにを制するのは、どちらなのか・・・集中力の勝負なのか・・・息をのむ展開であった。

 第一セットは競った末、7−5で寺地がキープ。5−5まできてからの寺地の2ゲーム連取は見事。要所をしっかりポイントしてくる寺地が経験の差で勝っているように思えた。
 1セットを先取され、このままでは引き下がれない權だが、第二セットは序盤からミスが目立つ。第一セットを落としたことで何か気持ちの変化があったのであろうか?權の武器である安定感も欠け、結局流れをつかめないまま1ポイントしか取れず再び寺地に第二セットのキープを許してしまった。

第三セット、このまま寺地のストレート勝ちで王座奪還となるのか?それとも、權が粘りを見せるのか?周囲の緊張も高まってきた。そんな中、プレッシャーも感じさせず堂々としたプレーで常にリードする寺地は厳しいコーナーを突くなど權を翻弄。このセットも6−1と權を寄せつけず、2度目の栄光に輝いた。

寺地貴弘○(7−5・6−1・6−1)●權亨胎

試合後、コートでの優勝インタビューで寺地は「この一週間、しんどい試合もたくさんあって・・・こうして優勝してこの大会を終わることができて本当によかったと思います。優勝できたのは自分だけでなく支えてくれた皆がいたのでここまでこれました。ありがとうございました。また、来年この場に戻ってきて優勝できるといいと思います。本当に嬉しいです。」と涙を浮かべながら話した。


【試合後の記者会見】

 優勝 寺地貴弘

「興奮していたせいか、今朝は五時に目覚めて、朝食もろくに食べれませんでした。でも、決勝戦はいいスタートがきれました。第一セットは相手の出方を見つつも、絶対に取らなくてはいけないと思っていて、4−3から4−5に逆転されたときは少しプレッシャーを感じていましたが、意地でもこのセットは取る気持ちだでした。第一セットを取ると気持ちが楽になって、第二・三セットと一気に取ることができました。三年前はどうしても優勝したいという気持ちが強かったけど、今回は優勝経験者としてどっしり構えて戦うことができたと思います。前回の優勝の時の喜びと、今の喜びは全然違います。3年前たまたま調子がよくて優勝したと思われていたかもしれないけど、今回の優勝でそうではないとわかってもらえたと思います。今後は世界だけを見て戦っていきたいです。全日本は通過点、明日からも遠征です・・・自分に厳しくやっていきます」

 準優勝 權亨胎

「第一セットを取られてから試合に集中できませんでした。足にも疲労が蓄積していて・・・寺地選手はカウンターが上手くて、うまく対処できませんでした。悔しいけど、ここまでこれると思っていなかったので・・・よかったと思います。来年か再来年・・・大学生のうちに(全日本で)優勝できたらいいと思います。そして将来的には韓国の代表選手にもなりたいです。これから、大阪(近畿大)に帰ります。」