内定を得た後で心に去来するもの。一緒に頑張ってきた社内の同僚、お世話になった顧客や関係者、愛着のある会社……との別れに「心残り」が生まれてしまう。そんな「迷い」へのアドバイスを、ヘッドハンター、恋愛ライター、ギャンブラー作家の3人に伺った。ほかのシチュエーションにも使えますよ。

Part1 会社の同僚や顧客などの関係者……転職で別れるのがツラい
 退社を迷ったときのアドバイスをお二人に聞いた。ひとりはヘッドハンター。転職希望者が登録する転職エージェントと異なり、見ず知らずの人材を口説き落とすプロだ。もうひとりは恋愛系の女性ライター。会社を移る転職と恋人を変える恋愛に、かなりの類似性があると思うからだ。

■社内編 仲のよい仲間と別れるのは正直ツライ!
・ヘッドハンター
 いい職場環境のようですから、動く必要はないのでは? ただ、同僚や友人は転職するかもしれませんよ。自分が思うほどに周りはあなたを重要視していないのかもしれないので、もっと客観的な目をもちましょう。最悪なのは何に迷っているのかがわからないケースで、これがはっきりしない人は転職をやめたほうがいいですね。
 伝えたいのは、最終的に決断するのは自分自身ということです。われわれは、候補者を口説いたりはしません。もちろん相談には乗りますが、積極的にお勧めするのはすべてにおいて条件がよい場合のみ。それも一度しか言いません。それでも皆さん、2週間ほどで結論を出していますよ。」

・恋愛ライター
 昔の恋人に戻るなら、戻るなりの覚悟をすべきだと思います。それは決して楽な道ではなく、より修練が必要になるからです。2人で一緒に成長するといった気持ちがなく、一時の情や思いやりだけで関係を続けても、結局は別れてしまうもの。相手に求めるだけでなく、自分が求められるという視点をもつことが大切です。
 余裕があるせいでしょうか、彼氏のいる女性はモテるんです。「昔の彼女がラク」という安直な気持ちで、「付き合っている意味」を考えないと、誰かに彼女を取られてしまうかもしれませんよ。ちなみに、こうした決断は女性のほうが早いですね。男性はなかなか自分を客観視できませんから。

■リスクを冒さないのは、最大のリスク
 資本主義の成立は16世紀から、17世紀にかけてでした。
 資本主義の本質は、ギャンブルですね。「未来の収益に対して投資する、あるいは賭ける」という考え方です。
 資本主義経済の根幹をなす株取引は、17世紀のロンドンにあった「コーヒー・ショップ」を、その起源としているそうです。当時のコーヒー・ショップって、15世紀にエジプトから紹介されたコーヒーという香り高い飲料を供する場であったことは確かなのですが、実体は、法律で禁止されたカード・ゲームで賭博をする場所でした。いま流に言えば「アングラの賭場」です。
 そこでは、サウスシー(現在のインドネシア周辺の海域)に胡椒を取りに行く船の権利を、危険分散のために分割して販売しました。船が1着で戻ってくれば莫大な収益をもたらし、一方海の藻屑と消えてしまえば、リターンはゼロとなる。出航した船が戻ってくるまでに、マジ・ガセ入り乱れて、いろいろな情報が飛び交います。そこで株が、賭けの対象となって売買された。
 その起源からも推察できるように、資本主義を勝ち抜く鉄則は、
 HIGHRISK,HIGHRETURN.
だと思います。
 リスクを冒したくない、というのは、それはそれでひとつの生き方です。
 ただしそうであるなら、栄光は求められません。
 なぜなら、必然的に、
 NORISK,NOGLORY.
 となるからです。
 ただ、いつもいつも、崖っぷちで勝負をしていたら、人はいつか必ず負けてしまいます。従って、勝負どころを見切ることが重要となるわけです。
 負ける勝負は仕掛けない。勝つ可能性が高い勝負だけを挑む。

 話は変わりますが、ロッククライミングでは、「最も安全な登り方」として「三点確保」法をまず教えられます。手脚三点でしっかりと地点を確保し、残った1本の手か脚で、より高い基点を探っていく方法です。
 実はこれより安全な方法があって、それが「四点確保」法です。手脚4本で、安全な地点にへばりついている。確かに安全です。ただしこの方法には、上にも下にも進めないという重大な欠陥があります。そのうち疲れて、ずるずると落下してしまうのでしょう。
 経済社会のパイが拡大の一途であるなら、全体が右肩上がりとなるので、「四点確保」法でも、全体にへばりついたまま上昇する可能性はあるのでしょうが、「未来の収益」がどうなるかまったく見えない現段階での資本主義状況では、「四点確保」法は避けるべきだろう、というのが私の理解です。
 郵貯だってどうなるかわからないし、日本国債なんて紙くず同然になる可能性がかなりあります。
 リスクを冒さないと、じり貧となっていく。
 私の言葉で言うと、
 ――リスクを冒さないのは、最大のリスクである。
となります。
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