ITエンジニアとしての自分のスキルの将来性に悩むとき、考えるのがIT内キャリアチェンジ。汎用系からオープン系へ、アプリケーション開発から組み込み系へなど、キャリアチェンジ転職を受け入れている企業に、転職成功の秘訣を取材した。

キャリアチェンジに成功するエンジニアは誰?
 ITエンジニアとして「自分が極めるスキルに将来性はあるのか?」と悩むとき、または「もっと新しい技術にチャレンジしていきたい!」と野望を抱くとき、考えるのがIT業界内で別の分野へと移るキャリアチェンジ。まったく他業界に転職するよりリスクも少なく、経験を生かせるようにも思われる。とはいえ、ひと口に「IT系」とくくることができないほど、業界内は、さまざまな業種に細分化されているのが現状だ。ソフトハウス、SIer、メーカー、事業会社、コンサルティングファーム……畑違いの業種になると、スキルがリセットされるのはもちろん、仕事のスタイルも求められる適性もまったく違うことがある。果たして転職が成功するのか?と二の足を踏むITエンジニアも多いことだろう。
 そこで、キャリアチェンジ転職を望む人材を積極的に採用している企業に取材した。どのような人材がキャリアチェンジ転職で成功するのか、企業側は転職希望者の何を見て採用しようと思うのかを紹介したい。

■キャリアチェンジの方法(1) 研修プログラムが充実している会社で、バックアップを受ける。
株式会社KSKは、ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、システムLSIなどの開発を手がけるトータルソリューションプロバイダ。中でもシステムコア開発事業部は、システムLSIを中心とする半導体設計や、携帯電話端末の組み込みソフトウェア開発を行っている中核部署である。専門性の高い組み込み系に中途採用されたエンジニアのキャリアと、どんな研修プログラムが用意されているのかを、人事担当者とエンジニア双方に伺った。

■転職エンジニア「自分の幅を狭めるより、もっと広く勉強したい……」
 大学を卒業後は、暗号ロジックの基礎研究をソフトウェアに実装するプログラムを組んでいました。2年ほど勤めるうちに、一技術者として暗号という特殊なスキルだけに特化していくのも自分の幅を狭めると思うようになり、もっと広く勉強をするため大学院に入学。情報セキュリティ学科で、品質管理やヒューマンエラーについて学びました。研究は楽しかったですよ。

 再度就職先を探すにあたっては、品質やセキュリティの管理がしっかりしていて、質の高いものを作り上げる会社にしたいと考え、まったくの異業種であるエンベデッド(組み込み)開発の世界に飛び込みました。ハードも基板も触ったことがない私には、大幅なキャリアチェンジです。仕事のスタイルも進め方も、何もかもが違っていて、最初は戸惑いの連続。周りのサポートや、KSKカレッジという社内の充実した研修制度に助けられつつ、実践の中で必死に新しいことを吸収しました。現在は戦力として活躍できていると思っています。
 今の仕事は、おおざっぱに言うと、携帯電話の音声を制御するような仕組みづくりです。どんな操作をしたら、どこのスピーカーからどの程度のボリュームで、どのような音声を出すかなど、音声ひとつとっても、いろいろな制御があるんですよ。制御というのは難しいもので、ハードを直接触るし、ソフトも理解しなければなりません。非常にコアな部分に携わっている実感があり、私は単なるプログラマではなく「エンジニア」なのだと、今はプライドをもてるようになりました。
 私自身を振り返ってみるに、スキルアップのための努力を楽しめる人や、自分のキャリアに固執せず広い視野で仕事に取り組める人は、キャリアチェンジ転職に向いているかもしれません」

■企業側「独自の研修プログラムでキャリアチェンジをサポート」
 話の中に出てきた、研修制度「KSKカレッジ」について、システムコア開発事業部で人事採用にも携わる内堀学氏に伺った。
「IT業界というのは、次々に新しい技術が出てくる、ライフサイクルの速い世界です。人材を育成するために、KSKカレッジという社内向けの教育機関が設けられています。土曜セミナーで専任の講師から新しい技術を学べるほか、コンプライアンス関連はもちろん、ヒューマンスキルを高める講義もあり、新入社員、中堅社員、管理職それぞれに見合った研修プログラムが多数用意されているんですよ。
 KSKカレッジに用意されていない専門的な研修については、各部署で独自の研修プログラムも展開しています。例えば私たちのエンベデッド開発チームでは、今年の春から、デジタル時計などシンプルな構造のものの模擬開発を通して組み込みのさわりを勉強できる研修を始めました。模擬開発といっても設計、製造、試験などは社内の実際の作業と同じ工程を体験してもらうので、実践的です。
 採用にあたって問うのは、C言語を使用した開発の実務経験のみ。組み込み開発のキャリアがなくても、社内でサポートできる体制は整っています。関心のあるITエンジニアの方には思い切って飛び込んできてほしいですね。組み込み系の開発は、技術の盛衰が激しく、常に勉強が必要な分野。新しいことに対して柔軟で、好奇心の旺盛な方なら、楽しめると思います」
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