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東京下町探訪、技を売る職人衆=かつしかの伝統芸(上)

2008年10月18日04時34分 / 提供:PJ

pj
東京下町探訪、技を売る職人衆=かつしかの伝統芸(上)
東京・葛飾区内の職人たちの工芸品を一堂に集めて販売する、『葛飾区伝統産業館』。芸術品的な品が安価で買える。(撮影:穂高健一、13日) 写真一覧(3件)
東京・葛飾といえば、映画・寅さんの柴又が有名だ。地元の人たちには、江戸時代からの伝統産業の盛んな町だ、という認識がある。手先の器用な職人たちが数多くすむ。家内工業で、零細だが、できあがったものは一流の品物だ。

 『職人気質(しょくにん きしつ)』ということばが古くからある。かれらは商売上手ではない。他方で、高齢になっても毎日、コツコツと商品を作っている。職人の腕には限界がない、常に技を磨いている。葛飾の職人衆があつまり、1991(平成3)年には「葛飾区伝統産業職人会」を発足させた。会員の交流、販路の確保、後継者の育成など、伝統産業の振興を目的とするものだ。現在のメンバーは47人。重要無形文化財保持者(人間国宝)の小宮康孝(江戸小紋)も含まれている。現会長は4代目で、福島政山さん(江戸木彫刻)だ。

 京成立石駅から徒歩2分で、商店街のなかには、同会の職人たちの工芸品を一堂に集めて販売する、『葛飾区伝統産業館』がある。館長は柳富治さん(銅版仏画)だ。29業種、35人の職人たちが出展する。開館は朝11時から夕方6時まで、月曜日は休み(祝日の場合は翌日)。入館は無料。職人とその家族が毎日2名ずつ交代で詰めて、展示品を販売している。

 10月13日(祝)に、同館に出むいてみた。当番ふたりの職人から『葛飾区伝統産業館』にまつわる話が聞けた。山川金作さん(53)は、江戸鼈甲(えど・べっこう)の職人で、15歳からこの道一筋だ。同会館の発足は01(平成13)年5月13日だと教えてくれた上で、経緯について、「駅に近い商店街のなかにあった、立石出張所が閉鎖になりました。遊休施設となっていたので、うちのメンバーが葛飾区長にかけあい、葛飾の伝統産業を守る、という立場から、使用許可を得たのです」と教えてくれた。

 会館の使用は一階のみ。江戸切子、銀器、江戸型彫などの品物がならぶ。芸術品の展示場だと表現しても決しおかしくない。職人は欲がないというか、とてつもなく安価だったりする。もうひとりの当番・萩原末次郎さん(83)は、箸とか、耳かきとかを作る職人だ。終戦後に横須賀から復員し、竹工芸(たけこうげい)の道に入った。63年のキャリアをもった職人で、名人芸の領域に達している。

 「職人は個人業です。製作した品を売りにまわるとなると、手間と時間がかかります。職人衆たちは高齢者が多いし、営業活動も思うようにならない。この会館ができたことで、作った物がここで販売できるようになった。だから、職人たちのメリットは大きい」と山川さんは語る。展示スペースには限界があるので、仏壇、焼き物、三味線など大型の物や、変色する反物などは展示できない。そこで、小物が中心になってしまうようだ。

 売る側が職人なら、買い手も職人だったりする。会館にやってきた客のひとり鵜沼正さん(69)は大工だという。神輿(みこし)の館を紐(ひも)で組んだり、ボクシング・リングを設営したり、異色の仕事だ。「立石かいわいの秋祭りが終わったから、神輿の補修の仕事が入ってるんだよ。神輿の小物の装飾品を買いにきた。いつも利用しているよ」と話す。
 鵜沼さんが手にしたのは、鹿の角を素材にし、竹細工に見せかけた、小さな彫刻品だった。神輿につけるという。【つづく】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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