感動のアニメ名場面特集などで必ずと言っていいほど紹介されるアニメ『フランダースの犬』。この物語の最終回を見て泣いた、と言う人は大勢いることだろう。しかし、この『フランダースの犬』の人気は、どうやら日本だけのようなのだ。



いまだに感動のアニメランキングなどで上位にランクインするアニメ『フランダースの犬』。このアニメ実は日本以外ではあまり人気がなく、内容も異なっていることをご存知だろうか。

この物語の舞台はベルギー北部のフランダース地方なのだが、本場ベルギーでは、「自分たちベルギー人は子供を一人で死なせるほど非道ではない」との批判的意見から、さほど高い評価は受けていないようだ。

アメリカでは物語のラストが変えられているという。ネロの父親が名乗り出てきて、ネロとパトラッシュは聖堂で死なないというストーリーになっている。いかにもハッピーエンドを好むアメリカ人らしい。このラストが日本で放送されていたら、ここまで我々の記憶には残らなかっただろう。
またパトラッシュの犬種も、実際は真っ黒で毛むくじゃらの犬で、日本のアニメの設定とは異なっている。日本では子供向けに少し可愛らしいイメージを持たせたのかもしれない。

ハッピーエンドを好むアメリカや、「負け犬の死」としか映らずに、教育的見地からこの作品を読むことを勧めない風潮があるヨーロッパでは、日本版「フランダースの犬」は好まれないという。

ではなぜ日本では放送から30年以上も経った今でも支持を受けるのか?そこには文化や価値観の違いが見え隠れする。哀愁ただよう終わり方ほど永く記憶の中に生き続ける。結果よりもそこまでの過程にあるその人の生き方に共感する。そこには日本人特有の情緒感があるのだろう。