自信、経験、実力、天才復活が期待される郷野。11ヵ月振りのファイトだ

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いよいよ大会開催が今週末に迫った『UFC89 BISPING vs LEBEN』。英国ウェストミッドランド州バーミンガムのThe NIAで行われる大会、米国本土ではPPV中継でなくスパイクTVで無料放送される。UFCではこのような大会を、PPV大会でもファイトナイトでもない、インターナショナルイベントと分類し、PPVのクオリティを持つノーPPV大会としている。

今大会は、英国で行われることもあり、メインイベントに英国人マイケル・ビスピンを起用し、クリス・レーベンと対戦。ピスピンはTUFシーズン3で優勝、レーベンはTUFシーズン1で人気を掴んだファイターだ。

今やUFCの核となるTUF世代同士のメイン登場。セミファイナルにはライトヘビー級転向2戦目となるブランドン・ベラが、チェック・リデルを下しながらも、ヴァンダレ・シウバには敗れたキース・ジャーディンと対戦する。

同じグレッグ・ジャクソン門下のラシャド・エヴァンスが、リデルを衝撃的なKOで破り、次期チャレンジャーの地位を確定しており、ジャーディンも同門に負けられないインパクトを残す勝負が必要となってくる。

一方で、立ってよし、寝てよしのベラ。打撃は帝王ロブ・カーマン、グラウンドは米国柔術界の名匠ロイド・アーヴィンの指導を受け、今はサンディエゴの柔術ユニバーシティで、ヒベイロ兄弟らとトレーニングを積んでいる。

この他、英国勢が出場する数カードも現地では注目されているようだが、日本のファンにとって見逃せないのは、郷野聡寛の11ヶ月ぶりとなるUFC登場だろう。昨年11月のデビュー戦では、タンデム・マックローリーを腕十字で下し、タップアウト・アワードも獲得している。

本来は3月にジョン・フィッチと対戦予定だった郷野だったが、1月に古傷の拳を負傷。復帰まで10ヶ月を要してしまった。そんな、ウェルター級に転向し、切れ切れのボディを誇り、軽い体で寝技にも切れを見せるようになった彼の対戦相手は、英国人ダン・ハーディだ。

昨年、UFC行きを賭けて行われたケージフォース初代ウェルター級王座決定戦で、吉田善行と対戦したものの、急所蹴りで失格となってしまったが、キング・オブ・パンクラシストの石毛大蔵、ケージの貴公子・門馬秀貴を下した打撃の強さは、日本のファンにも十分なインパクトを残している。

郷野にとって有利なのは、元々ハーディは73kgでも戦える小柄なファイターであり、それは、UFCデビュー後にライト級へ落とすと公言していたほど。エディ・ブラボーの下で、ガードワークを習得しつつあるハーディだが、郷野も寝技軍団GRABAKAでもまれ続けた経験がある。

スタンド・ファイターのイメージが強い彼だが、かつては天才の異名をとったトータル・ファイター。しかも、ミドル級から階級を落とし、絶対的な部分でスピード&切れを取り戻し、相対的な部分で外国勢に引けを取らないパワーを持った。肉体的なハンディがなく、経験でも上回る郷野。ハーディな楽な相手ではないが、ここはしっかりとした勝利が必要だ。

今や格闘技界一のエンターテイナーと、歯に衣を着せぬ言いようで、無骨な印象も強い郷野だが、実のところは、繊細、仲間思いの好漢。紳士の国と言われながらも、荒っぽいファンの前で、天才ぶりを発揮し、神の階級=ウェルター級のトップ戦線に喰らい付いてもらいたい。

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