″パチンコ利権″を貪る上場貸金業者と警察の天下り

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 警視庁には天下りを斡旋するセクションがある。それが、「警務部人事一課人事企画第2係」(通称・人材情報センター)と呼ばれる部署である。そこに民間企業から求人票が提出され、"コンプライアンスの徹底""情報の管理強化"といった大義名分の基、多くの警察OBが天下っているというのだ。

 こうした求人票を調べ上げたジャーナリスト寺澤有氏によると、警察との結びつきが強いと言われるセコム、綜合警備保障などの警備会社に加え、日本マクドナルドやヤマダ電機など数百社に及ぶ有名企業が警察OBを受け入れており、その採用数は増加傾向にあるという。

 そんな中、同氏が取材を通じた上で、興味を引かれた業界が"パチンコ"だ。

 周知の通り、日本のパチンコ業界は特殊景品を使った三店方式を採用。三店方式とは、「ホールで出玉と特殊景品を交換」→「景品交換所が特殊景品を現金で買い取る」→「景品問屋が交換所から特殊商品を買い取り、ホールに卸す」という換金システムであり、半ば公然とギャンブルを行っている格好だ。

「こうしたパチンコの換金システムは誰が考えても不自然で、過去の国会でも問題となっています。ですが、警察庁の言い分は、『パチンコ店が直接現金に換えているわけではないから、直ちに違法にはならない』というものです。『それならば』と、新宿でカジノ業者が同じ三店方式を採ったことがありましたが、こちらはすぐに賭博罪で摘発されましたよ(笑)」(寺澤有氏)

 三店方式にまつわる業務は、東京ではパチンコ業者が作った東京商業流通協同組合、東京ユニオンサーキュレーション株式会社が担っており、実はこの組織に、多くの警察OBが天下っているのだ。

「日本全国でパチンコの違法状態が放置されている理由は、他でもない警察が換金業務を牛耳っているからです。換金所は1店舗につき1カ所あるわけですから、膨大な数になる。年間何回も(警視庁の人材情報センターに)求人票が出るくらい、人員が必要になるんです。警視庁に出された求人票には『暴力団排除』という目的が謳われていたりしますが、もともと暴力団はパチンコにはほとんど関与していない。要はパチンコ店が『自分たちに換金をやらせれば、賭博罪にはとわないよ』ということですよ」(同)

 さらに、こうしたパチンコ利権に深くかかわっている有名上場企業があるという。それが「セゾンカード」を発行する、クレジットカード大手のクレディセゾンだ。貸金業者である同社の連結会社が、関東一円で幅広くパチンコチェーン『コンサートホール』を経営し、各店舗で警察官の天下りを受け入れているというのだ。寺澤氏が続ける。

「同社は警視庁の人材情報センターで、『各店1名』という求人票を出しています。同社は各店舗に警察の天下りを受け入れることで、さまざまな面で安全を担保しているのでしょう」

 こうした指摘に対し、クレディセゾンに取材を申し出るも、広報担当者は「一切回答できません」と言うばかりだ。

「パチンコによる多重債務が社会問題化している中で、貸金業をやりながらパチンコ屋もやっているというのはマッチポンプもいいところです。たとえば『コンサートホール』調布店に行くと、周りにパルコや西友があって、当然セゾンのATMカウンターがありました。これでは多重債務を助長していると思わざるを得ません」(同)

 なりふり構わぬやり方で、利益を追求するクレディセゾンとそれを黙認する警察。両者の癒着構造にメスが入る日は来るのだろうか?


●寺澤有(てらさわ・ゆう)
67年生まれ。大学在学中より、ジャーナリストとして警察や検察、裁判所、防衛庁、記者クラブなど、聖域となりがちな組織の腐敗を追及する。共著に『実録!平成日本タブー大全<1>』(宝島社)など。


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