インドの交通事故死

何でも世界一になればいいというものではありません。

数値の低いほうがいい場合も多々あります。

昨年1年間の交通事故死者数が13万人を記録したインドでは、9万人以下に減った中国を抜いて、正式に世界一最悪な道路事情の国ということになりました。

そのことでさすがにインド政府も、これまでの「グッド・クラクション、グッド・ブレーキ、グッド・ラック」のみに頼るのをやめ、交通安全についていろいろと見直しを図るようです。

新しく見直される措置の中には、全ての車にエアバッグやアンチブレーキロックシステム(ABS装置)を取り付けることや、大型トラックなどにはスピードブレーキ(エアブレーキ)を必須化することが含まれています。

ただしインドではシートベルトの着用すらほとんどされず、ドライバーが任意でマナーを守る期待は持てないことから、それらの法案もそれほどの効果は見込めないと専門家は見ています。

交通安全対策課のRohit Baluja氏は、一番の問題は車の設計ではなく道路の設計だと伝えています。

交通事故の85%の死者は、歩行者か自転車で、自動車のドライバーではないのだそうです。

インドでもアメリカのように、歩行者や自転車道を、自動車の流れと分離する必要があると促しています。

しかしながら現在まで、交通事故死を減らすような明確な措置がとられなかったことをあげ、このたびの政府の取り組みを歓迎する向きもあります。

法律を作ってそれを人々に守らせることがインドでは難しいと言う声もあがっており、これからの問題は山積みのようです。

たしかに道路の真ん中を歩いている群衆や、列車の上まで乗っている映像を見ると、ちょっとやそっとでは安全な交通事情になるとも思えませんね。

India's deadly roads officially worst in the world | The Guardianより

関連記事