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ボッタクリ博物館と化したポタラ宮=3泊4日ラサ旅行(3)

2008年10月09日05時25分 / 提供:PJ

pj
ボッタクリ博物館と化したポタラ宮=3泊4日ラサ旅行(3)
かつてダライ・ラマ14世も住んでいたポタラ宮(撮影:藤倉善郎、8月 26日) 写真一覧(5件)
(2)からのつづき。今年3月に中国軍が多数の民間人を殺害したチベット自治区のラサに入った記者は、到着2日目に、ラサの象徴的存在であるポタラ宮殿を見学した。ジョカン(大昭寺)周辺は無数の兵士に“制圧”されていたが、そこから2キロ離れたポタラ宮周辺には、兵士の姿はほとんどない。現在インドに亡命中のダライ・ラマ14世を含め歴代のダライ・ラマが住んだポタラ宮は、7世紀に建設され、中国共産党に占領されるまでチベット政府の本拠地だった。「ここにはもともとお坊さんもいましたが、いまは博物館になっているため、お坊さんはほとんどいません」(ガイド)

 釈迦像とダライ・ラマ5世像を本尊とするポタラ宮は本来、宗教施設でもあるが、いまやその機能を失った状態だ。それでもなお多くのチベット人がその周囲を巡礼し、宮殿内の仏像に灯明や紙幣を供えて祈りをささげている。チベット人巡礼者の入場料金は1元(約16円)で、漢族や外国人は100元。記者が泊まったホテルはガイドブックによると1泊47元だから、ポタラ宮ではホテル2泊分もの入場料を取られていることになる。とんだボッタクリだ。

 入り口では、X線検査器と金属探知機で手荷物をチェックされる。まるで空港のような厳重さ。宮殿内は写真撮影が禁止されているが、検査係は記者のカメラバッグには何の興味も示さない。何を警戒しての検査なのか、よくわからない。ポタラ宮の高さは地上100メートルほど。これを歩いて登るのだが、高地のせいか、すぐ息が切れる。数度の休憩を挟みながら、約30分かけて“登頂”した。

 宮殿の内部では、歴代ダライ・ラマの玉座や霊塔、仏像や立体曼荼羅を見学できる。霊塔は金で造られ、トルコ石の青と山サンゴの赤で飾り付けられている。豪華絢爛だが下品さはない。派手に飾られた仏像やダライ・ラマ像の装飾も、年を経ているせいか暖かみを感じる。巡礼者たちが灯す灯明(ヤクのバターを使った蝋燭)の匂いが、辺りに充満していた。大量の古い経文が置かれた部屋もあった。

 ガイドが流暢な日本語で、仏像の由来をチベットと仏教の歴史にからめて語ってくれた。しかしチベットの歴史の重みと宮殿内の装飾の美しさを目の当たりにすればするほど、「これほどのものが、中国の支配下で宗教施設の機能まで奪われ、ボッタクリ博物館として“ドル箱”ならぬ“元箱”にされているのか」という思いが頭をよぎり、哀しくなった。

 「いつもならポタラ宮の見学は1時間に制限されているので、お客さんには入場前に仏像の解説して、入場してから『この仏像はさっき説明した○○です』と言いながら駆け足で見学します。でもいまは観光客が全然いないので、時間制限がありません」(ガイド)

 おかげで1時間半ほどかけて、のんびり見学できた。現在の“異常事態”ゆえのお得さだけに、喜んでいいのやら悪いのやら。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 藤倉 善郎

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