2007年9月に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリのずさんな運営により、「劣悪な環境の中、長時間のバス待ちを余儀なくされ、精神的苦痛を受けた」として観客109名が富士スピードウェイ(以下、FSW)に対し損害賠償を求めた裁判(記事参照)の第二回口頭弁論が、9月25日1時30分より東京地裁709号法廷で行われた。

 今期日で、被告であるFSW側はチケットの原本109枚すべてを法廷にて確認したいと主張、原告に対しチケットの即時提示を求めた。これに対し原告側弁護団は「原本は有価証券であり紛失できないことから原告各自が保管していること」、「全国各地に散らばっている原告からすぐに全員分を集められないこと」を理由に、次回弁論期日までに集めて提示することとした。

 また、原告側は前回の第一回期日でFSWに対して「何を認め、何を認めないのか」という具体的な認否を求めたにも関わらず、今回も被告から具体的な認否はなされなかった。被告はこれについて「原告全員が等しく同じ被害を被ったとは考えにくい。原告各自の被害をそれぞれ明らかにしてから、個別の認否を行う」と主張した。

 原告はこの被告側の主張に対し「全体の状況があって、各自の被害がある。個別の被害を争う前に基本的な事実関係について認否をしていただきたい」と主張し、議論は平行線をたどった。また被告から訴状の記載について、「『失禁する者もあった』とありますが、どなたが失禁したんですか?」といった質問がなされた。

 そこで裁判長は原告に対し次回までに「原告各自の被害を明らかにし、表にするなど被害によってグループ分けしてほしい」と提案。原告もそれを受け入れ、次回までにチケットの原本と合わせて準備することとした。

 なお被告は第一準備書面において、チケット&ライドシステム採用についての合理性について主張している。被告は、「もし観客に交通手段の自由を与えたら『もともと熱烈な自動車愛好者』であるから大挙して自家用車で押し寄せ、はるかに酷い交通渋滞や交通事故などのトラブルが発生したであろうから、交通手段の選択の自由を制約したのはやむを得ない」と主張した。また本件は「たまたま想定を超える荒天候」に見舞われ、降雨による道路陥没など予見し難い事態が起きたためとの主張を繰り返した。

 次回の弁論は11月6日午後1時30分、次々回は12月18日午後1時30分、東京地裁で行われる予定。また、今月10日〜12日には同FSWにおいてF1日本グランプリ2008も開催される。


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