――お二人は小学校の頃、どのような男の子と女の子でしたか?

麻生:うわあ〜。

萩生田:麻生さん、すごそう(笑)。

麻生:私は性格悪かったです、本当に(笑)。多分、自意識過剰すぎたんだと思います。だから、大人から見れば嫌な子供だったと思います。

――登場する子ども達の中で、一番近いキャラクターは誰ですか?

麻生:でも、割と優等生でもあったので、美香が一番近いですかね。

萩生田:なるほど。僕は結構、内気でしたね。…今も内気なんですけど(笑)。あまり表に出ない感じで。

麻生:じゃあ、私と真逆じゃないですか。もう、すごく目立ちたがり屋で大変でしたよ(笑)。

――麻生さんと監督が、一番印象に残っているシーンはどこですか?

萩生田:特にこれが秀でているというより、僕は全体の体験として残っている感じがするんですね。

麻生:難しいですねー。もちろん「どこをとっても」というのはあるんですけど。私はほとんどが教室のシーンだったので、意外かもしれないんですけどラストシーンが。八木センが成長したという意味もあるんですけど、ちょっとキャラクターが変わりすぎたんじゃないか?という自分への反省も込めて。違う意味で印象に残っていますね(笑)。

――出来上がった映画を見ての感想はいかがですか?

麻生:小学生が出産するという題材もあって、私自身もあまり信じられないというか、役柄的にもそうなので、それでいいのかもしれませんが、八木先生も信じられない想いで終わってはいるんですよ。その教室でのシーンが自分的に納得いかず、すごく大変だったんですけど。綺麗な話としてすぐに受け入れるだけではない形で終わったのが、ある意味良かったんだなと今では思っています。

萩生田:そうですね。最初にラッシュで繋げて、2時間半ぐらいになるんですけど、もう見ているだけでヘトヘトになる感じでしたね(笑)。客観的に編集をどうしようかチェックするんですけど、もうそれ所じゃない感じがしましたね。気付いたらもうボロボロ泣いている感じでした。自分のやれる範囲を超えた感じがかなりありましたね。ちょっと観て頂いて、という感じなんですけど。最後までイッパイイッパイでした。

麻生:私もです(笑)。

――麻生さんが思う、この映画の魅力を教えてください。

麻生:監督を前に言いづらいんですけど(笑)、子ども達がすごく魅力的で、子どもの世界がちゃんと描かれていると思うんですよ。自分が子どもの時に経験したような女子同士の仲間外れだったりって心が痛むんですけど、それをリアルに描いてる所が私はすごく好きでしたし。それでいて、子ども達の団結力とかが気持ちよく描かれているので。そして、春菜とお母さんの関係や家族のお話も温かくて好きです。

――監督には難しい質問を。麻生久美子さんの魅力を一言で伺いたいのですが。

麻生:おっと!すごく難しいことを聞きますねぇ(笑)。

萩生田:何か“正しい”感じがしているんですけどね。別に頑なに「これが正しい!」というわけじゃなくて。逆に言えば、「間違ったことが嫌い」という意識をしなやかに持たれているなと。何かぶつかった時に、もちろん対処しきれないものもあるじゃないですか?その時に「どうするのか面白そうだな」みたいな(笑)。それが僕としては魅力なんですね。

麻生:あー、「間違ったことが嫌い」というのは合ってます(笑)。

萩生田:「カンゾー先生」とか、それがすごく伝わってくる感じが。

――最初に麻生さんを見た時からということですね。

萩生田:そうですね。だから今も変わらない…あまり女優さんに「変わらない」と言ってはいけないのかもしれないけど(笑)。根本の所は変わられていないなと、現場を一緒にやらせてもらってすごく思いました。

――「純喫茶磯辺」でも素子という、ちょっと変わったキャラクターを演じていて、今回の八木先生もクセのある先生だと思っていまして。この所、個性的な役柄が続いているように見えるのですが。

麻生:「純喫茶磯辺」と「たみおのしあわせ」は、自分の中では共通したものというか変わった役、普通じゃない所が二つにはあるんですけど、八木先生は自分では割と真っ当というか、すごく一生懸命な役なんですよ。マジメな感じでやっているので、変わっているという意識が自分には無いんですね。まぁ、他の役も一生懸命なキャラクターではあるんですけど。