今なお拡大成長を続けるオンラインストアAmazon.co.jp。今回登場するのは、アマゾンのプラットフォーム上で「マーチャント@amazon.co.jp」という新しいサービスを手がけるエンジニアだ。

アマゾンの法人向け出店型サービス
 アマゾンには、例えばアパレルや雑貨などのメーカーが、アマゾンのプラットフォーム上でeコマースを行うことができるサービスがある。これが、アマゾンサービス事業部が担っているサービスのひとつ。アマゾン固有のAPIやファイル交換システム、Web上のユーザー・インタフェースを通じて、顧客となるメーカーや販売業者のビジネスをサポートしていく。

■ニッチが一泡吹かせる、的なことが好き
 高校時代にマイコンをたくさん持っている友人がいまして。コンピュータと出合って、面白いなと思ったのがそのころ。それで大学に入ると、アルバイトで買ったパソコンを使って独学でプログラミングをするようになったんです。それこそBASICから始めてグラフィックソフトを作ったりして。もともと機械好きで、「こうすればこうなる」という世界が、ものすごく面白かった。

 就職活動の時期になって浮かんだのは、当時注目の的だったUNIXに思う存分触れる会社に行こうというもので(笑)。サン・マイクロシステムズは UNIXの専業メーカーでしたし、一人1台ワークステーションが使えると聞いて。当時、何百万円もしたマシンですから、その環境には本当に憧れました。

 実はもうひとつ、サンを選んだ理由がありました。当時は超大手企業が大量にSEを募集していたんですが、もともと主流というか、メインストリームに乗っかるのって、好きじゃなかったんです。それよりも、新しい会社というか、ニッチな存在が、メインストリームに一泡吹かせる、みたいなほうが好きで(笑)。そのほうが自分に合ってるんじゃないかと。実際のところ、たしかに合っていましたね(笑)。

 日本法人の社員番号は329番。サンは、まだまだ小さな会社でした。実際、最初の5年は「来年も、大丈夫か?」と思っていたくらい。ようやく「この会社は本当に大丈夫だ」と思えたのは、入社後10年過ぎてからですから。サンは独自性と先進性の強い会社だっただけに他社からのプレッシャーは激しかった。でも、そういう競争の真っ只中で仕事ができたのは、刺激的で面白かったですね。

■最初の転職は思った以上に大変だった
 配属は社内情報システム部門だったんですが、これが幸運でした。通常の仕事は、アメリカで作ったシステムを日本に導入して、少し修正してテストしてサポートする、というのが一連の流れだったんです。ところが私は、「どうしてもこのリーガル要件を満たさないといけないのにアメリカ本社では作ってもらえない」とか「開発がビジネスの拡大に間に合わない」とか、つまり日本独自でまかなわないといけないシステムを多く担当したんです。しかも急成長中でしたから、要件定義から始まって、設計、開発、テスト、そして展開と一から十まで自分でやっていました。開発に使えるハードウェアやソフトウェアはすべてサンの製品が潤沢に使えて、しかも性能も日進月歩でよくなる時代でしたから、開発者には夢のような環境でしたね。

 当時、いつも頭にあったのは、仕事は常に楽しくなければいけない、ということ。そしてもうひとつが、新しいことにチャレンジすることでした。新しいツールキットに変えると開発は面倒になるんですが、ほんの少しでも取り入れて次の開発に挑んでみる。そういうことをよくやっていましたね。シリコンバレーでは、エンタープライズ・メッセージング・システムの開発チームで仕事をしました。業務アプリケーションをほとんど自前で作っていた会社でしたから、本社のエンジニアと一緒に開発に携われたのは、貴重な経験でした。その後は営業支援系、経理系のシステムが中心でしたが、ちょうど辞めるまでの数年間はEDIを担当しました。この経験が、後につながるんです。

 サンは大好きな会社でした。ところが時代の流れで、ITの間接部門はアウトソーシング化が進んでいくんですよね。もう37歳になっていました。考えが甘かったといえばそれまでですが、私としては承服しかねるものだった。それで、思い切って転職してみようと。サンから出て行ってエンジニアとしてやっていくとなると、マイクロソフトのテクノロジーを知らないわけにはいかないでしょう。それで、ならば思い切ってその中に入っちゃおうと思いまして(笑)。良いアイディアと思ったんですが、予想に反して最初の転職は思った以上に大変なものになったんです。

 マイクロソフトのテクノロジーもですが、職種もやったことのないテクニカルサポート。取引先をもつのも初めて。さらに会社の風土も大きく違うし、環境も違った。強い違和感を感じましたが、簡単に辞めるわけにはいかないとも思ったんです。ぎりぎりまで頑張って、自分なりに納得しないといけないと。後半はチームをリードする立場でもありましたし。それで約2年、何とか頑張り続けました。

■このサービスを多くの出店者が待っていた
 アマゾンへの転職のときは、全然違う経験でしたね。転職も二度目になると見えない恐怖がなくなるんですよ。どんな変化が起きるか想像もできる。だから、二回目以降はラクチンなんです。この余裕が初回にも欲しかった(笑)。実はマイクロソフトを選んだときにも、アマゾンには興味があったんです。ただ、自分に合いそうな職種も思い当たらなかったし、なんだか秘密主義のような雰囲気があるじゃないですか(笑)。
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