恋人間などでの暴力「デートDV」の認識が広がるにつれ、深刻な被害実態が明らかになってきた。
2008/09/12付西日本新聞によると、NPO法人である「にじいろCAP」(大木町)や「ほっぷすてっぷCAPくまもと」(熊本市)は、”子どもが自ら暴力やいじめから身を守る方法を学ぶ「CAP」プログラム”を進めている。両NPO法人に最近、成長した受講者達から「デートDV」に関する相談が増えたという。

両NPO法人が進めてきた「CAP」(Child Assault Prevention=子どもへの暴力防止)プログラムは、主に小学生対象に「子どもが自分の人権を知り、自ら”性的虐待””いじめ””誘拐”といった暴力を防ぐ具体的方法」を身に付けるもの。アメリカで開発されたものだが、日本でもNPO法人などで取り組まれている。
現実的で具体的なのが特徴で、自分にとって危ない時とはどんな時なのかを考えさせ、「大声を出しましょう」だけではなく「大声を出す練習」を実際にやってみるというやり方だ。
受講者には身につくし、心にも残るプログラムなのだろう、小学生で受講して10年がたち、今は高校生や大学生になった受講者達から、「デートDV」の相談が多い。
それを受けて、両NPOのメンバーで「チームさくらんぼ」を結成、啓発活動をはじめた。

セクシャルハラスメントが指摘され始めた時、「それくらい普通やるだろう」、「コミュニケーションをとってるだけだ」などの声が多かったが、今や「セクハラ」は一般的に認識されている。
主に夫婦間での暴力をいう、DV(ドメスティックバイオレンス)もまだまだではあるが、認識されてきている。そして、今「デートDV」が問題になってきたというわけだ。
個々の事情は様々だろうが、まずは認識するということが大事なようである。
「チームさくらんぼ」を受講した学生が”自分がなにげなくやっていたことが「デートDV」と知って驚いた”というように、”いけない事である”との認識から始まる。

デートDVの具体例としては
1.殴る蹴る、平手打ちをする。
2.物を投げつける、物を壊す。
3.罵る、バカにする。
4.付き合いや外出を制限する。
5.「口答えするな」「出て行け」などと怒鳴る。
6.望まないセックスを無理強いする。

などがある。

ただ、「CAP」の場合を考えても、認識の次には具体的な対策方法が必要なことも知っておかねばならない。

チームさくらんぼへの問い合わせはファクス :FAX0942(51)7565

ちなみに、デートDVの被害者は男性が30%ほどいるらしい。性別に関係なく、自らの行動が知らず知らずのうちに相手を傷つけてはいないか、また自分が傷つけられながらも過度に我慢していないか、問いかけてみる必要がありそうだ。

-ITからセレブ、オタク、事件・事故まで。スルーできないニュース満載-
TechinsightJapan(テックインサイトジャパン)はコチラから!