7月の「キングオブコント2008」記者会見席上、突如、所属事務所「オフィス北野」退社とフリー宣言して記者団を驚かせた人気お笑いコンビ・東京ダイナマイトが、その約半月後の9月5日付スポーツ紙で「オスカープロモーション」とマネジメント契約したと発表した。
正式に退社したのは今のところハチミツ二郎一人で、相方の松田大輔は広告契約の関係で来年3月の退社となる。

「オスカー」といえば、上戸彩・米倉涼子・菊川怜といった美人タレントを多数輩出する事務所として業界では今や名だたる存在。一方で、あまり知られていないが「バラエティ部」もあり、定期ライブも開催中だ。ただし知名度があるのは、『あらびき団』での芸風パクリ芸で知られるみっちーぐらい。2001年にコンビ結成(コンビ歴7年)の東京ダイナマイトが最古参芸人となるわけだ。

9月5日付の東京中日スポーツに掲載されている、事務所を選んだ理由が「先輩がいないため自由にできそう」というコメントからも推察できるように、「オフィス北野」在籍時代は、実力は認められながらも全国区人気には届かない頭打ち状態。2004年に『M−1』ファイナリストになった頃は“事務所の期待の星”と期待されたものの、その後のマスコミ活動に見違えるような変化は無かったといえる。

10年以上前から浅草キッド主催のライブに出演していたことがきっかけとなり、コンビ結成と同時期にオフィス北野」所属(マネジメント預かり)となったものの、なにしろ、ビートたけしの直弟子であるたけし軍団以下、先輩芸人が山ほどいる事務所のこと。たとえ才能がある伸び盛りでも、年上の売れない先輩たちには気兼ねを余儀なくされる、そんな旧態依然たる体育会的構造は厳然とまかり通る。それがマネジメント面にもあれば、「テレビに顔の利く事務所に加入して売れっ子に」という2人の思惑は外れたと言わざるを得ない。

事務所加入以前に自身でインディーズ芸人事務所を経営し、マネジメントのノウハウを会得しているハチミツにとっては、さぞ不条理に悩ましき構造問題だったことだろう。冒頭の「キングオブコント2008」会見でも「若手が育たない環境です」とポロリと漏らし、松田に「円満退社です」とフォローされるひと幕もあった。
そんな環境もあってか、前事務所時代にはテレビ露出をあえて望まず、ライブ中心の活動だったという。このたびその問題が無くなり「これからはどんどん出るつもり」と宣言するハチミツに、吉本勢など他の陣営と対抗する意欲が窺い取れるのは心強い。

もともと親分肌で、サンドウィッチマンの伊達みきおからは尊敬される存在というハチミツだけに、テレビ露出が増えてお茶の間の人気が上昇すれば、世評を味方につけて念願のタイトル制覇、さらにその後のお笑い界席巻もまんざら夢ではないだろう。あるいはもう、そんな深謀遠慮はとっくに抱いているかもしれないが。

(編集部:尾張家はじめ)

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