賛成?反対?会社の経費削減1位はエアコン設定温度
原油をはじめとする材料価格の高騰で、企業は利益を捻出するのに必死だ。省エネ、省資源、経費削減体質は一般的になってきたが、今年はさらにそれが強化されているようだ。最近目立つ会社の経費削減策にはどんなものがあるだろうか。エンジニアはそれをどう評価しているのか探ってみた。

■カラーコピー厳禁。でも、書類が見にくいよ
「最近、物価上昇や不況の影響で強化されたり、新たに実施されることになった経費節減策について教えてください。またその節減策についての感想も合わせて教えてください」
 20代、30代のエンジニア300人に聞いた質問への回答でまず目立ったのは「カラーコピーの削減」だ。用紙やインク、トナー代を減らそう運動が日本のオフィスで始まっている。紙を無駄にしないという環境意識が、それを後押しする。

「プリンタの初期設定が、2アップ両面モノクロになった。カラー出力許可は社外のお客様提出用のみ」(コンサルタント/38歳)
 という回答が多く、最近のオフィスではこれがデフォルトになっているのかもしれないことを窺わせる。

 確かに理論的には紙代が半減するし、トナー代も節約できるかもしれない。しかし、「複雑な資料はたとえ内部利用であってもカラーで見ないとわかりにくい」(ソフト開発/29歳)ことは確かだ。「縮小印刷で字が読みにくくなった」(品質管理/36歳)「両面や1/2コピーの失敗でコピー費がかさんでいる」(システム開発/30歳)などのクレームもさっそくついている。

プリンターメーカーでも、レーザープリンタでは、印刷済み用紙の裏紙を使用するのは、トナーの溶着で紙詰まりや印字汚れの原因になる、と注意書を促すところもあるから、気をつけたい。
 コピー用紙の省資源をさらに進めればペーパーレスに行き着く。「打ち合わせ時はプリントの配布をやめプロジェクターを使用し、資料は電子ファイルで配布する」(Webシステム開発/35歳)ことを徹底する職場も増えている。なかには「紙くずを減らすために、ゴミ箱を撤去した」会社まで登場。
 たしかにペーパーレスはオフィスワークの究極の効率化かもしれない。しかし、会議はプロジェクターのある部屋でしかできないことになると、色々と不満も出てこよう。プロジェクターの電気代と紙の印刷代の比較を、机の下でつい計算してしまうエンジニアもいるはずだ。利便性とコストはなかなか共存できないものなのだ。

■エアコン設定温度が上がって、扇風機が流行る?
「エアコンの設定温度を上げる」という施策も、経費節減とエコを意識したもので、これはかなりの職場で定着しつつあるようだ。今年の夏は洞爺湖で環境サミットが開かれたこともあり、企業としても導入しやすい雰囲気が整ったと判断したのだろう。この7月、8月は取材先でも、ノーネクタイ・クールビズのオフィスがほとんどだった。
「エアコン設定ごときで、ほんとうに地球温暖化が防げるのか」という“環境保守派”から出されている根本疑念はさておき、これが自分たちのワークスタイルを見直すきっかけになったと語るエンジニアは多い。
「夜はエアコンがストップされるので早く帰ろうという気持ちになった」(コンサルタント/31歳)

 ただ、「クールビズのおかげで、ノーネクタイで仕事ができるようになり、ラクチン」(システム開発/33歳)と大歓迎の声がある一方で、「あんまり暑いので、自席に扇風機を設置する人も現れ、逆効果と思われる」(システム開発/28歳)とか「エアコンがないので、みな車中で過ごしたがり、かえって帰社が遅くなった」(システム開発/36歳)という人も。人間の最適体感温度が変わるまでには、数年どころか数十年かかるという研究もあるようで、こればかりは“慣れ”が必要かも。