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Googleの世界制覇への先兵か? 独自ブラウザ「Google Chrome」の明と暗【気になるトレンド用語】

Googleが独自で手がけるインターネットブラウザ「Google Chrome」のベータ版が公開されました。
いまのところWindowsにのみ対応ですが、Mac OSとLinux対応版についても開発が進んでおり公開が待たれています。

■Google Chrome開発の経緯
Googleが、独自でインターネットブラウザを作りはじる話は、2004年のころからあったようです。ドメイン検索のWhoIsドメインネーム・データベースの記録によると、米国時間の2004年4月26日に、グーグルのサービス「Gmail」を連想させる「gbrowser.com」というドメイン名が登録されていたといいます。

グーグルに「独自のウェブブラウザ開発」の噂

実際にその時点でブラウザ開発が開始されていたかどうかは定かではありませんが、ほかのブラウザと連携をはかったGoogleツールバーが2000年12月に発表されたことを考慮すると、ブラウザ開発への構想はあったたとも考えられます。

Inside Chrome: The Secret Project to Crush IE and Remake the Web - WIRED MAGAZINE(英語)


■Google Chromeの機能に迫る
それでは、話題を呼んでいる「Google Chrome」の主な機能について見ていきましょう。

・多機能ワンボックス:アドレスバーに検索キーワードを入力するとその候補が表示される。
・新しいタブ:新しいタブを開くとよく訪れるサイトがサムネイルとなって表示され、ワンクリックでアクセスができる。
・アプリケーションショートカット:“アプリケーションショートカットを作成”をクリックするとデスクトップにショートカットが作成される。それをクリックするとGoogle Chromeからアプリケーションが起動する。
・クラッシュコントロール:タブは独立して動作しており、一つタブがクラッシュしても他のタブに影響がでない。
・シークレットモード:ウェブアクセス時に履歴を残したくない場合。
・いつでもブックマーク:アドレスバーの左にある星アイコンをクリックするだけで、表示中のサイトをブックマークに追加できる。

「Google Chrome」は、驚くほど動作が速いと評価される一方で、WindowsのInternet ExplorerやMac OSのSafariといった標準のブラウザや、多様なアドオン(拡張機能)を追加できる「Firefox」に比べて機能が少ないなどといった不満の声もあります。

「Google Chrome」で不満としてあげられている点
・マウスジェスチャーが使えない
・ボタン類が少なすぎる
・文字の並びに違和感があるなど日本語フォントへの対応が不十分
・動画の再生が遅い
・ブックマークが使いづらい場所にある

現在の「Google Chrome」はベータ版にたいしての感想となります。完成版へのアップデートで、どの程度対応するかに期待されます。アップデートによってGoogleが「Google Chrome」にもっているビジョンも明確になるでしょう。


■Google Chromeの“最速説”に対するライバルの反応
「表示が速い」ということで公開初日から話題を集めた「Google Chrome」ベータ版ですが、ライバルたちも危機感をもっているようです。

「Firefox」シリーズの開発元、Mozilla Corporationの最高技術責任者ブレンダン・アイク氏のブログによると、現在アルファ版まで開発されている「Firefox 3.1」と比べJavaScriptの表示に関してはFirefox 3.1のJavaScriptエンジンのほうが速かったようです。このように、対抗するライバル企業も「Google Chrome」について早くも牽制をはじめるほど登場のインパクトは強かったようです。

Chrome対Firefox 3.1――MozillaがJavaScriptエンジンのベンチマーク公表
モジラがブラウザのスピード比較でグーグルに反論


■無敵ではないGoogle Chromeの泣き所
開発中であるための不備のほかにも、「Google Chrome」の問題点はいくつか指摘されています。

●セキュリティの問題
悪質なリンク先を踏んだとき、「Google Chrome」自体がクラッシュしてしまう可能性も報告されています。
また、「名前をつけてページを保存」機能での脆弱性も報告されていて、勝手にPCを操作されてしまう危険性もあるとのことです。

「Google Chrome」に初のセキュリティ上の脆弱性
Chromeの「名前を付けてページを保存」機能に脆弱性

●未対応のGoogleサービス
Googleが独自に開発したブラウザであるにもかかわらず、Googleの提供する一部サービスにつながらないことも指摘されています。

Chromeが動かないGoogleアプリ―Livelyその他

●サービス規約に問題が
アップデートなどで改善できると予想される上記の問題とは別に、「Google Chrome」のサービス規約についても一波乱ありました。

英語版のサービス規約に、「再生、改作、改変、翻訳、公表、公開、配信できる恒久的かつ取り消し不能で、使用料が発生しない非排他的なライセンスを Google に付与する」とあったことが問題となりました。これはほかのサービスの規約を使いまわしていたからだとして、現在では規約は改善されています。

グーグル、「Google Chrome」のサービス利用規約を変更
「ユーザーのコンテンツの所有権、主張しない」――Googleが利用規約について説明

単純な手違いということで問題は落着しましたが、この規約が騒ぎを招いたのには理由があったのではないでしょうか。ストリートビューでも懸念された、個人情報やプライバシーをGoogleが一手に掌握する可能性への不安です。この不安が、規約の不備に対する素早い反応の背景にあったと推測されます。


大手投資銀行リーマン・ブラザーズのアナリストが、「Google Chrome」のシェアはFirefoxに2年で追いつくと予測しているように、多様なコンテンツでユーザーを囲い込むGoogleの戦略には経済界からも注目が集まっています。

Firefox3.0の登場で風穴が開き始めたInternet Explorerの独占状態ですが、発表後わずか1日という早さで1パーセントのシェアを獲得した「Google Chrome」の登場で、今後さらにブラウザ争いは加熱していくでしょう。


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