<ウェルター級/5分3R>
長南 亮
Def.3R終了/スプリット判定
ホアン・ジュカォン・カルネイロ

かなり大き目の声援を受けた長南だが、ジョージア在住というコールを受けたジュカォンには、それを大きく上回るファンの声援が集まる。

左ミドルを入れた長南。ジュカォンのテイクダウン狙いをしっかりと切る。ガードを取ったジュカォンにパウンドを落とすが、三角絞めからオモプラッタでスイープを許す。そのままパスガードに成功したジュカォンは、マウントを狙ったが、長南が足を入れていく。

再びパスを狙うジュカォンは、長南をケージに詰めて強烈な左右のパンチを落としていく。パウンドにエルボーを織り交ぜるジュカォンに対し、長南はアナコンダチョークを警戒しつつ、立ち上がることに成功。再びジュカォンのテイクダウンを切った長南は、チームクエストでのトレーニングの成果を見せたが、グラウンドで受けたエルボーで右目尻をカットし、1Rを終えた。

JZ・カルバン&ミウトン・ヴィエイラをセコンドに従えたジュカォン、メイハム・ミラー&雷暗暴の指示を受けた長南。2Rは足を滑らせたジュカォンから、長南がトップを奪い試合がスタート。ジュカォンはクローズドガードからエルボーを狙う。立ち上がって、ローキックを放つ長南。両者とも試合の主導権を握るに至らないが、トップをキープしている長南のラウンドといってもいい展開が続く。

ジュカォンはケージを蹴りながら腕十字を仕掛けるが、長南は右パウンドを落としピンチを凌ぐ。ならばとラバーガードから三角絞めを狙ったジュカォンは再び、ケージを蹴りあげ、腕十字を狙う。これを察知してパウンドを落とした長南が、1Rの劣勢を挽回したラウンドとなった。

最終ラウンド、ここでもテイクダウンを許さない長南。立ち上がって、片膝をついているジュカォンのボディに強烈なヒザを叩き込む。しかし、距離を取った直後にテイクダウンを奪われてしまう。長南をケージに追い込んだジュカォンは、細かいボディを落とす。続いて小刻みに顔面へのパウンドを落とされた長南は、ハーフガードの体勢に持ち込むが、左のエルボーを顔面に受けてしまう。

立ち上がった長南、ここでテイクダウンをスクロールしトップを奪う。疲れを見せたジュカォン、クローズドガードを取って時間が過ぎるの待つ。立ち上がって大きな振りのパウンドを狙った長南だが、空振り。しかし、最後の最後にパウンドを連打し試合終了を迎えた。

動きが少ない精神戦は、29−28、29−28、28−29という際どいスプリットデシジョンで長南が勝利。従来の活きの良さを米国のファンに披露したとは言い難い試合だったが、何よりも勝利が大切な一番で、相手の良さを完封して手にした判定勝利。“らしさ”の前に、絶対に落とせない試合での勝利、その意味は大きい。

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