「島」の発信力
2008年09月01日09時34分 / 提供:MediaSabor
■島からなる島国、日本
島には基本的に独自な文化や動植物が生まれる。それは島が四方海で囲まれていて、文化的な交流や生物的な混交がなかったからだといえる。世界的に有名なガラパゴス諸島も、孤立した島ゆえにあのような独自な進化をなしたのだといえよう。
このことは日本という国にぴたりと当てはまる。日本には海岸線100メートル以上の島が6852島あるという。南は沖縄の先から北は北海道の周辺まで、日本はまさに「島々の国」なのだ。その島々が集まって、ひとつの「島国」になっているのが日本である。
しかもその位置するところはファーイースト、“東洋の果て”、大陸からの文化や生物が渡ってきてその先なし。日本は“磯の吹き寄せ”国家なのだ。日本には独自の文化が育つ環境的な土壌があるといえよう。
■文明から文化へ
日本も世界を追い続けてきて戦後60年余、長く見れば明治維新以来の150年弱。それなりにG8の一員となるまでになった。
しかしその反面、失ったものはあまりにも大きい。失ったもの、それは日本文化である。文化とは自分の内側に目を向けなければ醸成しないものだ。外側に目を向けて手に入れられるものが文明、内側への目線を持たなければ手に入らないものが文化と言ってもいい。時代は文明から文化へのパラダイムシフトを遂げようとしているのだ。
文明が世界の共通項を築き上げて一体化していくのもだとするなら、文化はその国、その土地の独自を強調していくものである。時代はまさに文化と独自の交換の時代に入ったのだ。
文明の世界化は紛争や軋轢を招く。文化の共生をどう果たしていくかが、21世紀の大きな課題だろう。一元価値世界から、多元価値世界への転換である。21世紀のリーダーは、多元価値リーダーであることが必須の条件となるだろう。この視点でオバマ対前委員の米大統領選挙を見てみると、自ずから答えは見えているといえる。
■“楽習”型の旅
21世紀は大観光社会といわれるが、その観光も20世紀の周覧型、物見遊山型ではなく、その土地の文化を深く知り、学んでいこうという“楽習”姿勢のテーマ型になってきている。
「レジャー白書2007」によれば、ニューツーリズムは以下の7つになるという。
1.長期滞在型観光
2.エコツーリズム
3.グリーンツーリズム
4.文化観光
5.産業観光
6.ヘルスツーリズム
7.都市と農村漁村の共生
である。いずれも“楽習”型の旅であることが分かる。
最近雑誌やテレビなどでも、島が取り上げられるケースが多くなったが、島は上記のニューツーリズムのいずれにも合致していることが分かる。
一例を挙げてみれば、五島列島の小値賀島の「民泊」がある。「民泊」とは、地元の家にそのままお泊まりすること。NPOおぢかアイランドツーリズム協会が立ち上げた新しい観光ムーブメントだ。約50軒の一般家庭が「民泊」として登録していて、「ももちゃんち」「ぶうさん家(ち)」など名前も民泊らしい。宿泊客は地元家庭の夕ご飯にそのまま参加する感じである。豊富な地魚、野菜、素朴な人情を満喫できる。夕方の釣りもできる基本コースは1泊2食付で6300円(2人以上参加)。オプションで3時間程度の農漁業体験も用意されている(2100円)(旅10月号)。
■都市の中の島々
この「島」という概念を都市に当てはめてみれば、テーマを統一して「島的な」集約を果たしている業態がヒットしているのが分かる。
東京の飲み屋集積地は個性的な「島々」だ。
副都心線が開通し、新ビルなどが完成している「新宿3丁目」は立ち呑み酒場が特徴。しゃれたたち呑み屋が増えたことによって、女性客の比率が上がっているという。
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