30日に行われたリーグ・アン第4節で、マルセイユがホームでソショーを2−1で破り、首位を守った。31日のリヨンの試合結果次第で2位に落ちる可能性もある(リヨンが2点差以上で勝った場合)が、開幕から無敗を守り(3勝1引き分け)勝ち点トップと最高の立ち上がりだ。

 ソショー戦のヒーローは23歳の守護神スティーブ・マンダンダ。マルセイユは終盤、守備陣の乱れをつかれてソショーに猛攻を許したが、3本の決定的なシュートをマンダンダがことごとくスーパーセーブで阻み、1点差を守り切った。

 翌日のレキップ紙の採点で、マンダンダは先発22人(平均が5.36点)の中で断トツの9点。同紙ではめったにない満点に近い評価を受けた。

 マンダンダは昨シーズン、移籍したマルセイユでリーグ・アンにデビューしたばかりだが、いきなりシーズン最優秀GKに選ばれた。ユーロ2008では、リーグ・アンで400試合以上の経験を誇るランドロー(パリ・サンジェルマン)を蹴落として第3キーパーとしてフランス代表入りを果たした。

 W杯に向けても、クペ(アトレティコ・マドリー)、フレイ(フィオレンティーナ)を差し置いて、正GKの座を確保しつつある。しかし本人は、「監督も言っているように、代表GKの序列はまだ定まっていない。1試合1試合結果を出すだけだ」(レキップ紙)とまったく浮かれるところがない。この精神的な成熟ぶりも魅力のひとつだ。

 上記の3人よりもマンダンダのライバルとなりそうなのは、むしろ同世代のユーゴ・ロリス(リヨン)だろう。開幕から3試合、無失点を守っている。マンダンダにとっては、すでに昨シーズン経験しているチャンピオンズリーグ(CL)で、今季CLデビューを果たすロリスにどこまで差をつけられるかがカギとなる。CLグループリーグでは、リバプール、PSV、アトレティコ・マドリーと同組になり、リヨンよりずっと厳しい戦いを強いられるマルセイユ。攻撃的な強豪が相手だけに、世界に向けた腕の見せどころとも言える。